~側近たちの茶話会~
お話を読む前の注意事項
主人公とその仲間たちのお話です。
視点は作者目線です。どうぞ。
登場人物
塑々(そそ)─雷香の第二の側近。素直。
菫 ─ 〃 の秘書。天真爛漫。
黒金─ 〃 の第三の側近。意地悪。
雷香─世間知らずで夢見がちな少女。
蒼流─雷香の相棒で冷静沈着な青年。
第1ピリオド「現地集合」
シンプルなデザインの時計台の下でぴしっとして立っているのは、雷香の第二BG怨霊 塑々。姿勢よく立っているがなんだかそわそわして落ち着いてない。何度も自身の腕時計を確かめては、すぐ側に見える時計台の針を眺める。自分の時計の時間が合っているのかいないのか、心配になってきた頃、広場の向こうから何やら女の子の声が聞こえてきた。
菫「塑々せんぱーい!」
駆け足で塑々に近づいてきたのは、雷香の秘書の五十嵐 菫。事実上の第三BGだが、本人が守りではなく彼女のサポートに徹したいと願い、秘書という役職にありつけた。息せききって胸を撫で下ろす菫は、今日は動きやすそうな格好だった。ラベンダー色のトップスにストレッチ製のパンツを合わせている。
菫「塑々先輩、早くないですか?待ち合わせまで、まだあと20分はありますよ」
塑「いやなんか、いつもの癖で」
菫「癖?」
塑「雷香さんの側近している時は、雷香さんより早くに着いてないと悪いでしょう?でも雷香さんが待ち合わせの時間よりずっと早く来るので、僕も負けじと早く来るようになっちゃって」
照れながら語る塑々だったが、菫は困惑も呆れもしない。満面の笑みで尊敬のまなざしで見つめてくる。
菫「さっすが塑々先輩。あ、待ち合わせの時刻まであと18分ですね。お店入っちゃいましょうか」
塑「そうですね。では」
二人は並んで歩き出した。お互い敬語を使うこの二人の関係としては、主・雷香を支えるBG上下関係である。一番最初は蒼流だったが、彼も彼で色々忙しくなり、継いだ2代目BGが塑々だ。そんな塑々も雷香の進級ごとに忙しくなり、彼を継いだのは新人研修に来ていた菫である。彼女こそ、誰かの傍で力になりたくて研修に参加していたのが、タイミングが合い交渉してみると、意外にあっさり承諾してくれた。という訳で現在に至る。
しかし、二人の知らない間に、また雷香の側近が増えたということで、改めて新顔を迎える茶話会を開こうと提案した菫の元、今日集まる予定になったのである。
塑「このカフェですね」
菫「わぁ。なんだかレトロな感じ」
塑「すみません。あのー」
塑々が歩いているウェイトレスを見つけて声をかける。するとそのウェイトレスは見るなりくすっと笑った。塑々は気に留めなかったが、菫が少々気になった。
菫「えっと、なんで笑うんですか」
聞き方にトゲはなく、こちらも面白くて聞いているんですよという雰囲気を醸し出しながら聞いたのは、菫の技である。だがウェイトレスはその言葉を聞いた後もくすくす笑っていた。やっと笑いが収まり、にこにこした表情を二人に向ける。
ウ「すみません。ええとですね、あなた方が来る1時間前にココに来店した方が『胸に自分と同じバッジを付けている男女の二人組が来たら、自分の席に案内してくれ』と申されまして」
塑々と菫は顔を見合わせた。1時間も前にこのカフェに?待ち合わせにしては早すぎる。でも現に来ているのだ。
菫「その方は一体…?」
ウ「こちらになります」
お盆を胸に抱えて歩いていくウェイトレスに黙ってついていく二人。奥の四人席に案内されると、そこには『新顔』と思われる少年が座っていた。その少年が気配に気づき顔を上げると、胸にBGバッジが光っていたのに気がついた。
Aqua Storyは私が小学校の時から考えている小説であり、ヒューマンドラマチックでもあり、メルヘンロマンでもあり、なんともまあ色々でございます。Aqua Storyというのはアニメで言うアニメ名で、~~の中がサブタイトル的なものです。
他にもたくさんありますが、自分の力を試すためにこちらの話を投稿させていただきました。
誤字があればご指摘よろしくお願いします。