はざまから
ちょっとホラーっぽくなってもうた。www
生きとし生けるものは皆、いずれその魂を解き放つ────
天国、黄泉、冥府。
何れも死後の世として人が想い描いた場所。
では、生きとし死せる者達は何処に居るのだろうか────
詩集 まよひ乍 最終章より
真白世界
初め、他にどう呼ぶことも出来ぬ程に 只々、白一色だけの世界が広がって居りました。
聴こえるのは、風の声と吹き抜ける白いかけら達のささやき ───
やがて風もやみ、世界には、そのかけら達の穏やかな舞いだけになりました。
ただそれが。その雪達がふわふわと降りしきるなか。何時からでしょうか、少年が立っていました。
少年は目をつぶり、肩の力を抜いて、時折ホウゥと白い息をはく以外には微動だにしませんでした。
雪はゆらゆらと舞い、彼のくすんだ金髪と眉毛を白一色に変えて行きます。
始まりは無く、終わりの見えないものでした。
いつしか雪はやみ、世界に変化が起きました。
世界にカワリガ───
◇◇◇
ずっと、暖かいものに包まれていた気がする。
そう思いながら、そっと瞼をもち上げた。
辺り一面の雪景色。すこし違和感を感じたものの特に不思議には思わなかった。
上にグレーのシャツ、下は茶色い半ズボンという余りにもその白い世界には不釣り合いな格好で、しばらくのあいだ白い草原のその先に何があるのかと背伸びをしたり跳ねたりしては、向こう側を探していた。
もちろん見えるわけもなく、きっと向こうも白いのだろうなと仮説が立っただけ。
さすがにそれにも飽きてきた。それに独りぼっちは寂しいなと思いはしたものの、白い世界には白く積もったものしか見当たらない。
「ここでじっとするのも良いけれど、少し歩いてみようかな」
白い世界に、少年の声が初めてこだます。それにもやはり違和感を感じるだけ。
草原を抜け、丘を登り小さな古林が見えたとき、何だか今までに無い違和感を感じた。
原因には、すぐに気がついた。
古林の端に小さなお屋敷が建っている。青色の屋根は、所々色が剥げ、もうずいぶんと前からそこで、この世界を見守っている。そんな風貌を感じさせている。
「こんなお屋敷、僕は住んだこともないや。どんな人が居るんだろ?」
特に意識したわけでもなく、スッと口から出た言葉。自分が居たところ。その意味に気が付いたとき、心に不安がおしよせた。
あれ?僕ってだれだ?どこに居た?だれと?親は?兄弟?友だちは?あれ?あれ?あレ?アレレ?おっかしぃなぁ~
ちゃんと覚えてるだろ?自分は、自分は、自分はぁァ…ぁ…ァァ……
心に孤独が、おおいかぶさり、自分の知らないナニカに背中をじぃぃーっと見透かすように見つめられるような気がしだす。
「だれかに、だれかに会わなくちゃ。だって、だってさっ。
だから、だから、だから会わなくちゃ、だから」
頭のなかでは、ソレだけが渦を巻き、自然と古林の端に建つお屋敷へと足が向いた。
心なしか、彼の不安を掻き立てるように先程まで止んでいた風が吹きだす。それに伴って、雪もちらつきだす。
どこかで、鐘の音がする。
きっとモゥ・・・マ・・・ナィ・・・
早歩きからやがては走りだし、雪が盛大に舞い、一歩先も見えなくなったちょうどその時に、お屋敷の門を潜り大きな扉の蝶番に手をかける。
そのまま押し込むと、なぜか扉は開く。後ろを振り替えることもなく中に転がり込み、扉を足で無理矢理に閉めた。
外では風と雪が、扉を強く強く叩きだし、いつからあったのか雨の音と背後の屋敷の奥からオルゴールの静かでゆったりとしたメロディーが響いていた。
作風とかも変えてみた感じです。結構短いですが、時間が空けば続けていきます。(つまり不定期投稿)
異世界より~このA//の繋ぎではないデスがそんな感じです。
(ここからの人達よ、良かったら他作品も覗いてくださいね?www )
もしよかったら感想、アドバイス等々よろしくお願いします。
(† ̄ω ̄Τ)Κ <デハデハ>
皆さんの良き小説ライフを~