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抵抗の花
彼女が眠る墓地に添えられているのは一輪の花。
私が摘んできたものだ。
彼女の命日にはいつもそうしている。
女々しいと思われるかもしれない。
しかし、私は彼女のことを忘れたくないのだ。
以前、彼女の幽霊に出会って久しぶりに彼女の声を聞いた。
『わたしのことは忘れていいからね』という一言だった。
しかし、私は彼女の一言に抗っている。
忘れたくないからだ。
だから私は、彼女の命日に花を添える。
月に一度でも、週に一度でも。
時間を無理矢理にでも作って、花を添える。
周りからどう言われたとしても構わない。
彼女のことを決して忘れないためにこれからも続けていこう。
例え、私に死が訪れようともーー。
《終》




