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気を付けるべき夜
赤い満月の夜には気を付けて。
吸血鬼の時間になったら、家に籠らなければならないから。
血を吸って生きている鬼。それに見つかってしまえば生きている保証はどこにも無い。
だからこそ、生きている保証を守るために、家に籠るべきだ。
吸血鬼を狩る存在にすがれないからこそ、争わずやり過ごすしか方法は無い。
立ち向かおうとすれば、鬼のような膂力でねじ伏せられてしまう。
脆弱な人間であることを、思い知らされてしまうのだ。
苦々しく思いながら、救いの時を待つしか方法は無い。
その時まで身を守り続けるしか無いのだ。
吸血鬼に怯えて日々を過ごしていた時代が終わり、過ぎ去ってしまう時が来ることを信じてーー。
《終》




