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アーティストが遺した監禁室

古の女王が最後にいたのは監禁室。

牢獄であったなら、彼女は救われただろう。

しかし、あらゆる動きを封じ込めるために造られた監禁室は、塵一つの動きすらも許さない。

だからこそ、彼は不思議に思った。

古の女王がいた監禁室が愛しく思えることを。

だが、それは罠でもあった。

監禁室の魅力の罠に嵌まってしまった彼は、アーティストとしての力を振るい始める。

最初は絵から。

見たものが監禁室に囚われたくなる衝動を植え付ける絵画を描いた。

次に模型。

ミニチュアであるが、彼が思い描いた監禁室を現実化したものを造り出したのだ。

その次は、彫刻。

ミニチュアで造られたものを石膏などによって等身大に再現し出した。

監禁室の器具に囚われた古の女王のフィギュアも付けて。

最後に、再現。

古の女王以外、すべての器具を、監禁部屋を、再現するように造り出したのだ。

アーティストとしての力を最大限に振るって。

長い年月をかけて。

若い頃にどこかで見かけた物語のワンシーンに取り憑かれて。

老人となった今に終えたのだ。

古の女王以外のすべてを造り出して。

そして、彼は眠りに着いた。

自らが再現させた監禁室で、古の女王に倣うように。

彼は死の眠りに着いたのだ。


その後のことは誰も知らない。

戦争が起きて、大破壊に巻き込まれたのか。

大災害が生じて、滅びを被ったのか。

アーティストである彼が遺した監禁室は、ただ戯言の中に残るのみーー。

《終》

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