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追憶に秘めた思い
追憶するのは、幼い頃に交わした結婚の約束
場所は林檎の木の下
まだ青々とした実が成っていた
他愛のない約束だった
子供が言う結婚の約束なんて、一緒にいたいという考えからだから
成長した現在となっては、笑えてしまうほど
でも、不思議と笑い飛ばしたいとは思わない
心をほんのりと温かく満たしてくれるから
しかし、その思い出も無くしてしまうのだろう
未来が訪れれば忘れ去られてしまうから
でも、忘れたくない私がいる
ずっとずっと、抱えていたい思い出だからだろう
物語なら、思い出が甦って互いに結ばれてハッピーエンドだけども
現実はそんなに甘くない
だからこそ、この思い出を文字に残しておこう
遠いネットの片隅にひっそりと置かれてしまうとしてもーー。
《終》




