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風紀の檻の解放
風紀という名の規則の檻に彼女は囚われていた。
絶対の規律に蝕まれていた。
打たれたソフトボールは檻を壊す力が無いことに嘆いた。
彼女の救いを望みながらも、救えないことの無力さにうちひしがれていた。
事情を知ったスパイは動き出す。仮面の掌で踊らされているとしても。
幾千本もバットに打たれながらも、ソフトボールは勢いを付けて檻に突撃する。
跳ね返らされる結果になるとしても。ひたすらに一ヶ所へと当たっていく。
スパイは暗躍する。規則の規律という枷を壊すために。
拳銃が火を吹く。規則を、規律を破壊するために。
がんじがらめの規則は苦痛でしかない。
規律が頑なになるほどに苦痛は増していく。
しかし、終焉が訪れる。苦痛の支配は砕かれる。
風紀が壊され無法となるも、強さの鍵が救いの手を伸ばした。
彼女を助け出すために。
ソフトボールは知らせていた。強さの鍵を導くために。
スパイは探り出した。規則と規律の枷をもたらす存在を。
破壊の渦中に落とすために。
やがて、彼女は知るだろう。囚われの身から、解放の身になったことに。
やがて、彼女は気づくだろう。強さの鍵が助け出したことに。
やがて、彼女は忘れるだろう。解放のために働いた存在のことを。
やがて、彼女は向かうだろう。救いの先にある未来へとーー。
《終》




