ブラックキャット・カースリボルバー
黒猫と称された銃があった。
独特のトリッキーさに富みながらも、狙いを決して外さない黒い銃があった。
そのトリッキーさに、扱えるガンマンは誰もいなかったが。
誰も扱えなかった黒猫は、銃が人間を選ぶ存在だった。
独特のトリッキーさゆえに、そう称された。
やがて、黒猫を扱うガンマンが現れた。
少女のガンマンだ。
黒猫に選ばれなかったガンマンたちは少女を茶化した。
選ばれなかった自分を認めたくなかったからだ。
あるいは、茶化すことで慰めていたのかもしれない。
しかし、茶化された少女の怒りを買うには十分な理由となった。
彼女は黒猫を天井へ向けて発砲した。威嚇としてだ。
その威嚇は、少女を茶化して不当な慰めを得ていたガンマンたちにとっては十分過ぎた。
黒猫は狙いを決して外さない。
その理由は、必中の呪いが幾重にも施された黒呪銃であることに由来する。
幾重にも呪いが施されたことによって独特なトリッキーが生じ、その呪いに適応できなけれ ば引き金を引けれない。
それは単なる弾丸無しの拳銃と変わらないからだ。
しかし、黒猫を発砲した少女は、必中の呪いに適応し、弾丸を打ち出すことのできる実力を示した。
それを悟ったガンマンたちは少女から退く。恐怖とともに。
天井に向けられたからこそ、生命が助かったことをも悟ったからだ。
それを感じ取った少女は、ガンマンたちから去っていった。
彼らには用など無いから。
彼女は向かう。約束の場所へと。秘宝が眠る場所へと。
黒猫を少女に託した存在がいる場所へと。
やがて、黒猫を携えた少女は出会うだろう。
眠れる彼と、彼を見守る仲間たちに。
そして、絶望の尖兵者たちに向けて放つだろう。
黒呪銃・黒猫の必中の弾丸を――。
《終》




