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廃屋の幽霊の謎

暇だねえ。暇だから何か話そうか。

そうだね。君は聞き上手であたしは話し上手だから、あたしが一方的に話そうか。

情報家の友人から聞いた話がいいね。

それじゃあ、話を始めよう。

町外れにある廃屋は知っているかい。

何でも、あそこには幽霊が出るそうだよ。

友人に聞くところによると、十数年前に誘拐されて殺されてしまった女の幽霊らしいね。

その誘拐犯はどうなったかって。指名手配はされたようだよ。

犯人と気付かずに誘拐されましたってなったら、警察の恥の二の舞になるからね。

んー、このまま話してもつまらないからちょっとしたなぞなぞでもしようか。

話の筋に沿ったものをね。

さて、指名手配された犯人を発見した場合、発見した人物には逮捕協力として賞金は支払われるね。

けど、この誘拐犯の場合は賞金が支払われたと思うかい。

ん、賞金は支払われて……いない。それでいいんだね。

念のために聞くよ。支払われていないのが君の答えだね。

ファイナルアンサーって聞いても、君は変えないよね。

答え合わせをするなら、賞金は支払われていないんだ。

でも、発見自体はされたんだ。……遺体としてね。

何でもその死因というのが、恐怖によるショック死だそうだよ。

でも、解剖してみたら、ショック死の原因となる症状が出ていないそうだ。

心臓に病気を抱えていなかったのにだよ。

怖い話だと思わないかい。

あたしは怖いと思うよ。でも、思うだけだね。

そうそう。遺体が見つかったのが、町外れにある廃屋近くの林みたいだね。

でも、あそこは夜になると怖いけど、ショック死するほど怖いものは見当たらないんだ。

もちろん、何らか要素が重なりあって恐怖をもたらす結果になったかも知れない。

けど、ある専門家が検証したら、考え出される要素の重なりによって恐怖をもたらす結果は導けなかったそうだよ。

もう一つ仮説を立てて話したのが、何らかの強力な妄想が恐怖となってショック死という結果を導いたらしいね。

ちなみに、妄想は「現実を元にしてあり得ないことを強く囚われてしまった」状態らしいね。

ほら、大した存在でもないのに無意味に偉ぶる人間がいるだろう。

そんな感じが、妄想だそうだ。

話を進めようか。

これはあたしなりの仮説だけどね。

誘拐した女を殺してしまった犯人は、その場から逃げ出そうとした。

自分が殺した女が幽霊となって復讐するんじゃないかってね。

で、その妄想がだんだんと強くなって、誘拐犯にとって現実になってしまった。

女の幽霊という存在がね。

そして、要素の重なり合いが絡みついてショック死することになった。

それがあたしなりの犯人死因説だ。

じゃあ、女の幽霊は誘拐犯の産み出した妄想の産物かって。

まぁ、そうなるだろうね。

けど、誰かが殺されて幽霊になったという考えはどこにでもある。

それが発展していって、あそこの廃屋には殺された女の幽霊が出るようになった、という考えはどうかな。

そう、殺されたという現実の証拠から強い妄想に囚われてしまった結果、女の幽霊を見てしまった。

そんな感じだね。

実際、あの廃屋で女の幽霊を見たっていう証言があるけど、どんな顔なのかと聞いたら、見た人たちによって全然違うんだ。

恐怖で訳が分からないからっていうけどね。

いつものようにあたしが一方的に話したけど、この話はおしまいにしよう。話し疲れたからね。

良い暇潰しの相手になったよ。いつもありがとうね。

さぁ、帰ってお風呂に入って寝るとしようか。

おや、あたしと一緒に寝たいのかな。

でも、それはまだ早いよ。

君が一人前になったら考えあげるからね。

その時を楽しみにしているよ。

じゃあね、バイバイ。

《終》

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