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桜の樹の下で
今日は卒業式だったね。
君と会えるのは、学校では最後になる。
そんな寂しい顔をしないでくれないかな?
君とあたしは近所に住む幼なじみなんだから。
さ、顔をハンカチで拭いてくれないか。
君は泣き顔よりも笑顔が似合うんだから。
桜の樹がどうかしたかい?
ああ、そういうことか。
桜の樹の下で告白したら思いが叶うという伝説。
それを確かめたいんだね。
良いよ。付き合ってあげよう。高校生活の最後としてね。
さあどうぞ。君の告白を聞かせてくれ。
君の思いをあたしに伝えてくれ。
どうしたんだい? もしかして、緊張かな?
はは、君らしいと言えば君らしいね。
なら、代わりにあたしが言おう。
あなたが好きです。付き合ってください。
こんな感じかな。あれ、言ったら恥ずかしくなってきたよ。
今の言葉は嘘ではないから。信じてくれ。
ありがとう。
君からの返事は別の機会にするよ。待っている間の楽しみとしてね。
じゃあ、また今度。会った時に。
バイバイ。
《終》




