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鳥籠と愛の言葉
私は鳥籠の中にいる。私は小鳥ではない。人間だ。
いや、私は人間なのだろうか?
もしかしたら、自我があるだけの人間もどきなのかもしれない。
偽物人間――フェイクヒューマンとかか? 自分で言っててつまらないな。
じゃあ、私は何なのか? 永遠の妙題だ。
――思考する人形には何が欠けていると思いますか?
――分からない? そうですね。それが極めて無難な答えでしょう。
――からかってはいませんよ。大多数の人がそう答えるので。
――思考する人形に欠けているもの。それは、愛の言葉です。
誰かに愛されているという事実こそ、思考する人形には必要なのです。
――愛の言葉によって、どんな存在になるのかが決まるのです。
――ですから、私は願います。この思考する人形に、愛の言葉を投げ掛けて欲しいのです。
――そうすれば、愛の言葉通りに思考する人形は形作られるのです。
――ねぇ、貴方。だから、貴方の子に愛の言葉を投げ掛けてくれませんか?
《終》




