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地球最後の幻視
今日はどんな日なのかと聞かれたら、私はこう答えるだろう。
今日は――地球が終末を迎える人類最後の日だ。
宇宙へと飛び立つ術はかつて研究されたが、SFと略されたスペースファンタジーは、スペースフィクションであるという結論が下された。
到底、人が住める空間ではなく、それを解決したとしても、諸々の莫大なコストがかかる。
芋づる式に困難が芽吹き迫るように。
その事実に恐怖した人類は、宇宙への進出を諦めて地上の覇権を争った。
愚かにも、血塗られた歴史の逆流を始めたのだ。
狂った道理に突き動かされて。
悪夢のような事実から数十年が経った。
人類は、かつてのアダムとエバの子孫たちは、みな息絶えた。種の絶滅である。
地球に残っていた草木や動物たちなどの生命もみな、死に絶えた。
そこにいるのは、未来を見通す幻視者のみ。
ゆえにこそ、幻視者だけが終末を語れるのだ。
地球が迎える人類最後の日を。
フィクションと嘲笑れるだろう。しかし、その現実が将来から退いてしまうのと同じ。
末端の否定から草木は腐っていくのだ。
中心へたどり着いた時にはすでに遅く。手遅れでしかない。
腐敗幻想の現実は、すでに始まっているのだかろ
ら――。
《終》




