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かつての別れと縁と心構え
恐れているのは怒りを買うこと
竜神と祀られている存在を畏怖している
絶やさぬ祈りを捧げて免れようとしている
滅びを被ることがないと信じて
原が焼かれた記憶から抜け出そうと足掻いてもがいて
因果応報から逃れようと遠ざかって
けれどもそれは叶わざぬ願いであることを
自らが知ることになる
そうとは知らずに盲信して、狂信してしまった
哀れだとは思わない
嘲りだと非難するでしょう
だからこそ、あたしは関わらないと決めたのよ
自分から不幸へと突き進む貴方にはね
さようなら
あたしを巻き込むつもりなら容赦しないから
あたしを巻き込んだらどうなるか知っているでしょう?
だから、さようならよ
切られた縁は繋がらない
誰の言葉だったかしらね
優しい嘘に溺れることをやめたのは
もう遠い昔のこと
あの時、あの人を振ったように
今度はあたしも縁を切るの
寿命という縁とこの世という縁もね
仕方ないことよ
生きている限り、やがて訪れる終わりには
誰も逃れられないことなの
ね、だからさようなら
そう言って、祖母は亡くなった
正直に言えば割り切れなかった
でも、あんな風にあっさりと言い切れることは
あたしには無理だろう
だからこそ、あたしは
あたしにやがて訪れる終わりに対して
心構えをしておこう
世界は唐突に終わりを与えることを
蔓延らせていることを
知らしめているのだからーー
《終》




