27/100
破滅の導師
暗黒の大陸に追放された男は、やがて邪悪な意思に呑み込まれ、邪神の使徒となるだろう。
それは滅びへの暗躍者となり、破滅の導師となる。
世界の大半は彼の者の手に渡され、荒廃の大地が支配領域となり果てる。
されど、勇気ある者によって、破滅の導師の支配領域は人類の手に戻りゆくだろう。
しかし、破滅の導師は邪神との融合を果たし、平和への最大の攻壁と為す。
勇気ある者の剣にヒビが入るも、想いの強さがさらなる強さを引き出しゆく。
そして、限界を遥かに越えた勇気ある者の剣が砕け散るのと引き換えにして。
破滅の邪神となった導師に引導を渡すだろう。
平和を取り戻した世界はたた安らかに時を過ごす。
破滅の邪神となった導師の意思は、大陸を暗黒に染めるために、霧散し眠りながら。
それは幾度となく繰り返される物語。追放者の弱さに漬け込んで、復活する破滅の邪神の物語。
追放者がいなくなれば、物語が始まらない。
ゆえに、追放することは禁じられたことである。
されど、人は過ちを繰り返す。時の流れに身を委ねるがゆえに、哀れにも繰り返し続ける。
この鎖は誰にも止められない。人が人である限り――。
《終》




