表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/100

墓地に咲かせる花

墓地に咲くのは何の花だろうか。

蒔かれた種によるかも知れない。

墓地に咲くのにふさわしい花は何だろうか。

星の竜の言葉が過る。

「血に咲く雛罌粟(ひなげし)の花は戦場の墓標にふさわしいだろう」

埋葬者の命日を願う花はどれだろうか。

生前に好きだった花がふさわしいだろうか。

太陽の巫女の言葉が過る。

「明るい夏の象徴の向日葵の花には向日葵畑がふさわしいものよ」

死者のために供える花は何が良いのだろうか。

墓地を彩るのにふさわしい花は何だろうか。

森林の最奥に住まう魔女の言葉が過る。

「この世とあの世を繋ぐ葉と花が交えることのない彼岸花がふさわしいと思うわ」

遺された遺族の心を慰める花はどんな花が沁みるのか。

決意を抱くのにふさわしい花はどれだろうか。

絶やさぬ祈りを捧げる聖女の言葉が過る。

「希望の花言葉を持つサンザシを活けるのがふさわしいですね」

墓地の管理人は種を蒔く。様々な花の種を墓地の近くの畑に蒔く。

心の気休めだとしても墓に供える花を育てるために種を蒔く。

見た人の笑顔を見るために。埋葬された死者たちを慰めるために。毎日の命日のために。

静かにそっと、種を蒔いて育てていく。

今日も明日も、未来が続いていく限り――。


《終》


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ