恋人に原因を訊いてみました。
一しきり恋人との時間を楽しんだところで、いよいよ本題に入らなければならなかった。
「なあ、ところでさ……」
恋人に向かい、いつになく真面目な声が出た。
「……何で泡になったかって、わかるか?」
即座の否定が示された。だよなあ。俺がお前と過ごしてきたなかで、お前が泡になれるとか聞いたことねえし。
いや、でも俺は恋人の全てを知っているわけではないからなあ。これから知っていきたいと思うし、やはり願わくば全部を知りたい。
そう考えると、今回のことは恋人の新たな一面が知れる良い機会だったのか?
「でも、素人判断で悪いんだけどよ、気分が悪いとかはねえよな?」
パット見たところ、恋人の目に見える不調は泡になったことだけであった。いや、だけ、って変だけど。泡になる、って大分問題だけど。
「あー、でも今日は病院も休みだしな……なあ、今日すぐに病院行きたいか?」
即座の否定が示された。原因不明で、突然泡になった、って病院行っても相手にされないのは目に見えている。俺が入院させられる可能性もあるし、最悪の場合、俺の恋人様が粗雑に扱われる。
だから、もう少し原因を考えなければならなかった。決して、休日を恋人と二人きりで過ごしたいことだけが理由じゃないんだ。
「まぁ、とりあえずメシにするか」
人間、腹が減ったら何もできない。だから朝食を用意しよう。幸いなことに、俺は恋人を養い面倒をみたいがために料理は日々練習している。
しかし、ここで浮かんだ疑問がある。
「お前さ、メシ食えるのか?というか、口ってどこだ?」
浮かぶ疑問に恋人も答えを出せなかったが、案ずるより生むが易しだった。
このあと、物理法則を無視したように恋人が食べ物を取り込む様子をたっぷり見せられた。