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恋人と風呂に入ろうとしました。-3

タオルをぬるま湯に浸し、これでもかってくらいきつく絞る。


右手に持って、いざ、という状況にはなったのだが、どうも躊躇してしまう。


「何か変なところあったらすぐに……言うのはできねえから……何か反応してくれな ?」


恋人(泡)の体を拭うわけなのだが、細心の注意を払うけども、何があるかわからない。


瓶に移動させたときの感じだと、恋人様の体は見た目以上に丈夫にできてはいる。だからこうして体を拭うっていう選択もできたんだが、それでも不安は募るもので。


……でも、昨晩に色々と運動して、一応きれいにしてから寝たんだけどやっぱり不快感は残ってるかな、って。そういう小さなストレスも減らせたらいいなって思う。


触りたいっていう下心?


当然あるけど。


「……大丈夫か?……よし、じゃあ、えっと……失礼します?」


恋人様としても、泡の体に欠損とかはでないだろう、と思っているのは確認してる。


漠然とした不安はあるだろうけど、体をきれいにしたい、っていう思いも強いらしい。


朝から色々とあったから、リフレッシュしたいのもあるよな。こいつ、基本的にきれい好きだし。


「ん……と、平気、か?」


軽く触ってみて、問題ないかを確認する。


特にこれと言って気になることはないらしく、俺としても安堵の息をつく。


「うん、じゃあ拭いていくな?」


そうっと手を動かしながら、恋人の体を拭っていく。


「気持ちいいか?」


俺の問いに、恋人様は肯定を示す。上機嫌になっているあたり、やっぱり不快感が残っていたんだろう。そうだよな、結構ぐしゃぐしゃになったシーツで寝てたもんな。


俺としては今のやり取りが、こう……昨晩を思い出すなあ、とか思ったり思わなかったりで…。ちゃんと気持ちいいか、って確認とりたくなるんだよな。こいつは訊かれるの苦手なのか、恥ずかしそうにされるけど。


あー、でもそれはそれで可愛いんだよな……。あんまりやり過ぎると機嫌わ損ねてしまうが、たまにわざと意地悪で訊いたりもする。


とか不埒なことを考えていたら……


「……っ、悪い!大丈夫か?」


ピクリ、と恋人様が突然反応を示す。


大きめの気泡を拭っていたときに圧迫してしまったらしく、反射的に身を竦められた。……いや、泡だから実際は動いてねえけども。


「えっと、大丈夫か……?」


何だか、こいつも自分の反応に驚いたらしく、何事か、って呆けている。


「痛かったか?……そっか、うん」


痛い、とかではなくて違和感があったみたいだ。とはいっても、本人もハッキリとはわかっていないみたいで少し混乱している。


触った感じだと、気泡は中に何かが入っているのか弾力を持っている。でも、それはとても繊細で、なんつうか簡単に潰れてしまいそうだった。


「ごめんな、じゃあ、そこは避けるから。気をつける。……痛いとかじゃないなら、よかった」


いや、あんまりよくはないんだけど、今はこいつの混乱を収めるのが優先だからそう言った。


でも、今ので俺も反省した。


大事な大事な恋人様。


俺の、世界で一番大切な人。


最近気を付けることが減ってしまったが、触るなら細心の注意が必要だよな。


痛いとか違和感じゃなくて、気持ちいいって思ってもらいたいしな。俺としてもその方が気持ちいいし。


そのあと、俺は壊れ物を扱うように恋人様の体を拭っていった。


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