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卒業

そつぎょうしきにおくれta

終わりについての話をしよう

永遠などはない。誰しも生まれては死に向かう一方通行に落ちている。物語は終わり、生命も終わる。全てがまやかしで何もかも崩れていく。それが終わりだ。

この物語にだって当然終わりはある。始まることは即ち、終わりを意味している。この世に永遠などはない。

 



 私が家を出て早くも四年の月日がたった。高校卒業後、親の元を離れ、都会の大学に通っている。それが今の私だ。そして、その大学も、もう終わりだ。

 大学卒業式の朝。今まで寝坊なんて一度もしたことがなかった私だが、今日の日に限って大寝坊してしまった。当然遅刻である。「ああー!!なんで今日という今日に限ってーー!!!」私は急いで顔を洗い、制服を着て家を飛び出した。

 「とりあえず学校に連絡入れないと・・・」私が大学に連絡しようと思って、カバンの中に手を突っ込んだ。「おかしいなー、携帯どこに行ったーー?」私はカバンをあさる。「うそでしょ!?」慌てる私を馬鹿にするかのように携帯はカバンの中に入っていなかった。終わった、私の大学での四年間終わった・・・・私は地面に膝をつき敗北感満載のポーズをとっていた。とりあえず公衆電話を探そう。晴れやかな未来のために!!

 公衆電話はなかった。「・・・・絶望した。」某教師漫画の先生よろしくの勢いでメガティブ思考一直線の私だった。

 そのまま走って大学まで行くと、卒業式は卒業証書授与のところだった。「よっし、ギリで間に合ったっ!!」後ろからの衝撃にうめき声をあげながら、後ろを見ると先生がいた。「卒業式だっていうのにずいぶん遅い登校だな・・」「すいませんでした!!!」私は先生の迫力にビビり返事をした。そんな私に先生は深く溜息を吐き席の場所を教えて解放してくれた。

 席に着くと隣から友人が声をかけてきた。「遅かったね」少し笑いを含んだ声だった。「主役は遅れてくるものだよ」ニッと笑いながら答える。もうすぐ私が卒業証書をもらう番だ。

 卒業式も終わり、周りからは歓声と泣き声と笑い声が聞こえる。私はいろいろあったなとか考えながら空を見た。青空だ、透き通るような。

 

忘れていた過去を思い出す

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