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「でも…し、師匠。ぼくら…こんなことをやっているだけで、ほ…本当に仙人になれるのでしょうか?」
優太が俺の足元を見ながら一言、一言絞り出すように呟く。
「お前は早く仙人になりたいのか?」
「…はい」
「何故、仙人になりたい?」
優太は下唇をキュっと噛みしめると、
「ぼくはっ、あいつらに復讐したい!!」
そう――叫んだ。
俺は自分の心の中に何か薄ら寒いものが流れるのを感じた。
心を静め、ひろしと咲にも問う。
「ひろし、咲…お前たちの仙人になりたい理由はなんだ?」
「そりゃあ、ししょー! おれらをよくいじめるぅあいつらをぶっ殺す為にきまってるじゃないですかぁー」
ひろしが目を輝かせながら言う。
「仙人になれば空をとんでぇー、雨をふらせるすっごい人になれるんですよねー? そしたらあいつらギッタンギッタンのボッコボッコにしてやるんだぁ!」
「それいいねー! あたしもあのてー、えっとていのーで糞なあいつらを仙人の力でぐっちゃぐっちゃにしてやるんだぁあー!」
ひろしの言葉に咲が満面の笑みを携えながら答えた。
そして3人仲良く笑い出す。それは楽しそうに。
あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
「……」
俺は言葉が出なかった。
こいつらのセンドーを学びたいという気持ちの原動力がクラスメートや周囲の人々への復讐という暗く、汚らしいものだということは知っていた。
だが、俺はそんなこいつらでもセンドーを学ばせてやればまっすぐに前向きに物事を考えられるようになれると思っていた――いや、そう思いたかった。
俺の勝手な願望である。こいつらの人間に対する憎しみは減るどころか日に日に黒く、歪んでいっているように感じられる。
ひろし、咲、優太――こいつらはいわゆる捨て子だ。
幼い頃に親に捨てられ、施設に預けられた。
子供の世界というものは時に残虐で、容赦がない。子供たちを守るはずの学校。
しかし、学校には30人くらいの小さなクラスというコミュニティが存在し、そのコミュニティが彼らの世界の縮図なのである。
――自分と違うものは迫害せよ。
どこの世界も同じ話だ。
つまり捨て子であるこいつらはクラスという世界から異端な者というレッテル貼られ、わかりやすく言えばいじめられているのだ。
俺はそんなこいつらにとある理由から同情し、力を貸そうと思ったのだ。
だが…一体どこで間違えてしまったのだろうか。




