表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沖田さん令和に惑う  作者: NoV


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/26

「警察署跡地、夜」


警察署は半次郎一派の異能襲撃によって壊滅していた。

周囲の道路は抉れ、パトカーはひしゃげ、

夜風の中に焦げた匂いだけが残る。


その廃墟に、三つの影が降り立った。


沖田総司。

斎藤一。

岡田以蔵。


幕末の怪物が、令和の闇に並び立った瞬間だった。


以蔵:「……ひでぇもんやな。刀はいらん言うて暴れ回っとるわ」


斎藤:「半次郎の配下……“異能”を得たとなれば厄介だ」


沖田は瓦礫の上を歩きながら、静かに息を吐いた。


沖田:「どのみち……止めるしかありませんからね」


その声音は、かつて死の病に蝕まれていた青年のものではない。

転生を経て蘇った剣聖の、圧倒的な自信を帯びていた。



◆ ――半次郎一派・幹部登場――


瓦礫の影から、三つの強烈な気配が出現した。


◆ 一之瀬 甲牙こうが

筋肉の塊のような男。異能「鉄殻アイアンシェル

全身が鋼鉄に変わり、常規外の防御力を誇る。


◆ 神代 かすみ

白い髪の少年。異能「虚歩きょほ

空間を“抜かれて”攻撃がすり抜ける。


◆ 鷹栖 蓮火れんか

黒装束の女。異能「煉鎖れんさ

炎の鎖で相手を拘束し、焼き切る能力。


蓮火はゆっくり前に出た。


蓮火:「さすが幕末の英雄……この時代まで追ってくるとはね。

でも――あなた達は“古い”」


斎藤の眉がピクリと動く。


斎藤:「なら試すがいい。

剣が古いか……お前達の力が浅いか」



◆ ――激戦開幕――


三人の異能幹部が一斉に跳んだ。


◆ 鋼鉄の右腕が斎藤を襲う


甲牙の拳が地面を叩き割り、瓦礫が弾け飛ぶ。


斎藤:「重いな……だが遅い」


斎藤の踏み込み――

夜の中に、ひとつの直線が引かれた。


「左之太刀」

刃が横一閃。鋼鉄化した甲牙の胸に亀裂が走る。


甲牙:「……な、に……? 俺の“鉄殻”が……!」


斎藤:「貫けぬものなどない」


淡々と告げながら、次の構えに入る。



◆ 空間を抜ける少年 vs 沖田


霞:「無駄だよ、剣なんか当たらない」


沖田の突きが霞の胸を貫いたかと思うが――

刃は虚空に溶け、何の手応えもない。


霞:「当たんないって言ったでしょ?」


沖田は微笑んだ。


沖田:「なら……どう当てるか考えるだけです」


次の瞬間、沖田は 自分の刀を“投げた”。


霞:「意味ないって――」


刀は霞をすり抜ける。

だが沖田は、すり抜けた刀の“先”に回り込み、


素手で柄を掴み直す。


霞:「!?」


沖田:「虚ろを抜けた先なら……」


沖田の刃が、霞の肩を深々と裂いた。



◆ 以蔵の狂気 vs 炎の鎖


蓮火の鎖が蛇のようにうねり、以蔵を縛り上げる。


蓮火:「あなた有名だったわね。人斬り……以蔵」


以蔵は笑いながら鎖を引きちぎろうとする。


以蔵:「せやけどのぉ……“焼ける前に斬ればええだけ”やろ?」


次の瞬間。


以蔵の飛び込みが速すぎて、炎の尾だけが残った。


蓮火:「っ……!」


斬撃が胸元を裂き、蓮火は大きく後退した。



◆ ――三対三の乱戦、決着へ――


沖田の“流麗な刺突”。

斎藤の“理詰めの太刀筋”。

以蔵の“狂気を孕んだ速さ”。


三人の圧力に、幹部達は明らかに押され始めていた。


甲牙:「バ、バケモン……! これが本物の侍……!」


霞:「撤退……しないと……!」


蓮火:「いや……総長(半次郎)が来るまで時間を――!」


斎藤が静かに歩み寄る。


斎藤:「遅い。

三人がかりでも……我らには届かん」


沖田:「終わりにしましょう」


以蔵:「まとめて落としたるわ!」


三方向から殺到する幕末の怪物たち。


その瞬間――

瓦礫と血の中で、幹部三名はついに崩れ落ちた。



◆ ――勝利。しかし、異能の“本体”は……――


息を整える沖田たちの前で、蓮火が口元だけ笑った。


蓮火:「ふふ……“総長”はこんなもんじゃない……

中村半次郎様は……もっと深いところに手を伸ばした……

世界を壊す力をね」


次の瞬間、蓮火たちの身体が“ざらつく光”となって消えた。


斎藤:「これは……転移か」


以蔵:「ちぃ……逃げられたかい」


沖田は静かに刀を収めた。


沖田:「半次郎さん……あなたはどこまで行こうとしているのですか」


令和の夜は、これから始まる大戦の序章として、静かに冷たかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ