表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沖田さん令和に惑う  作者: NoV


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/26

「襲撃」

深夜、都内・某警察署。

当直の警官たちが眠気と闘いながら書類を処理していた。


そこへ――

突如、影がひとつ、すべり込む。


「……な、なんだ? この黒い靄……」


空気が震えた。

次の瞬間、署内の照明が一斉に落ちる。


闇の中に立っていたのは、中村半次郎。


その背後には、

彼と同じく“異能”を持ちながら転生してきた幕末の志士たち。



◆異能:闇走り


半次郎の足元の影が、液体のように蠢く。

そこから黒い刃が生まれ、警察署の装甲ドアを音もなく貫いた。


「ば、馬鹿な……! 防弾合金が……!」


警官たちは戦慄した。


半次郎は静かに言う。


「……我らは、すでに“斬れぬもの”などない」



■“砕刃” 田中新兵衛


拳を軽く振るうと、壁が粉末のように崩れ落ちる。


「銃弾? 鉄? そんなもの、握り潰せば終わりだ」


弾丸を素手でつまんで落とす姿を見て、

若い警官は腰を抜かした。



■“雷迅” 池田七三郎


身体に稲妻をまとい、銃撃を高速移動でかわす。


「遅いぞ、現代の兵法は……!」


彼が踏み込んだ床は焦げて割れ、

電撃で十名がまとめて意識を失う。



■“心読” 山野辺義久


警官たちの心理を読み取り、恐怖心を増幅する。


「……抵抗する気はもうないな。

 なら、手を上げて座っていろ」


警官たちは心を折られ、立ち向かうどころではなかった。



公安の上層部は、

半次郎一派の存在をすでに把握していた。


だが――


◆銃は効かない

◆装甲車が破壊される

◆監視カメラに映らない(映像が歪む)

◆GPSもレーダーも位置を捉えられない

◆部隊を送れば壊滅する

◆生存者は精神汚染(心読能力の副作用)


つまり、


――通常戦力では対応不能。


“テロ”というより

現代の軍事・法執行の枠にない、新種の怪物集団。


内閣官房は密かにこう判断した。


「国家権力を投入すれば、

 被害は数百人単位で増える。

 対処すればするほど、国が壊れる……」


つまり、


『国家が彼らを追えない』

『手を出せば国家そのものが負ける』


この恐ろしい現実が、政府中枢を沈黙させていた。



◆――半次郎の目的はただ一つ


半次郎は署内の制圧を終えると、

拘置室の前で立ち止まり、静かに笑う。


「俺は“復讐”をしに来たわけではない。

 ただ――この国の歴史を、正しい道へ“戻す”だけだ」


解放された幕末の同志たちが半次郎を囲む。


「半次郎様、次の標的は……?」


半次郎の瞳が、闇より黒く光る。


「――沖田総司だ。

 あやつが令和にいる限り、

 我らの“新しい日本”は始まらぬ」


背後の影がひとつの獣のように蠢き、

警察署の窓ガラスがすべて砕け散った。


そして半次郎一派は――

夜の街へ溶けるように消えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ