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沖田さん令和に惑う  作者: NoV


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18/26

「薩摩の人斬り、警察と遭遇す」


雨の新宿。

路地裏で、斜めに切り落とされた街灯が火花を散らし続けている。


その異様な光景へ、真っ先に駆けつけたのは警察官二名だった。


「こちら110当直! 新宿西口裏で器物損壊! 刃物所持者!!」


「誰かケガしてるか!?」


二人が懐中電灯を向けると、

そこに立つ男は――まるで“時代劇の悪霊”のようだった。


濡れた着流し、剥き出しの刀。

そして、獣のように細められた眼。


中村半次郎。


警察官:「おい君! 危険だ、その刃物を捨てろ!」


半次郎は首をかしげた。


「……刀を捨てよ? 何を言うちょる。

これがなけりゃ、何も斬れんじゃろうが」


警察官:「撃つぞ! 刀を捨てろ!」


その“脅し”の意味が、彼には通じない。


次の瞬間――


バシュッ!!


半次郎の影が、雨の闇へ溶けた。


警察官:「なっ――」


ヒュン!


一瞬の斬撃。

懐中電灯が真っ二つになって地面に落ちた。


光だけが消え、警察官は腰を抜かす。


「し、信じられねぇ……ま、待て!!」


半次郎は、刃についた水滴を軽く払う。


「……これが“こっちの世”の武士か?

気迫が足りん。

まるで紙を斬るようじゃ」


その声音には、まるで罪悪感がない。


警察官が震えながら無線で叫ぶ。


「包丁どころじゃねえ……

こいつ、戦闘力が異常だ!

応援求む! 全隊急行!!」


サイレンが次々と集まり、

新宿の裏路地に赤い光が反射する。


半次郎はその光景を見て、

不敵に笑った。


「……面白うなってきた」


雨粒が刀に落ちる音が、

やけに冷たく響く。



◆ ――その頃、沖田たちは


龍馬が突然振り返り、声を張り上げた。


「……来たぞ。あの気配、まちがいねぇ」


以蔵が青ざめる。


「兄さん……あの化け物みたいな殺気……

間違いなく半次郎や」


美咲:「え、え!? もう危険なことが起きてるってこと!?」


龍馬:「ああ。おそらく警察が接触したはずじゃ。

だが相手が悪すぎる」


沖田は静かに立ち上がる。


「行かねばならぬ。

あの殺気が……令和を壊す前に」


紗耶が震える声で叫ぶ。


「危ないよ! 今の警察でもダメなら……沖田さんだって!」


沖田は振り返り、

まるで新撰組一番隊組長だった頃のように微笑む。


「だからこそ、わたしが行くのです」


雨の中、ひとつの決意が燃え上がった。


――沖田総司 対 中村半次郎。

令和で、幕末最凶同士が邂逅する。

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