表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沖田さん令和に惑う  作者: NoV


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/26

「龍馬流、以蔵更生プログラム」


「以蔵、うち来い」


「はぁ!? なんでオレが!」


「更生ぜよ、更生!

 おんしはこの時代で“普通の青年”として生きるき!」


「普通……オレが……?」


「そうよ。まずは令和の暮らしを覚えんといかん」


 龍馬はニヤニヤ笑いながら、

 以蔵の腕を迷いなく引っ張っていく。


「離せって! 引きずんな!」


「ええからええから!

 ほら、今日からワシん家が“更生日記の始まり”ぜよ!」


「なんだその地獄みたいな言い方ァ!!」


 廊下を引きずられていく以蔵を、沖田と美咲は呆然と見送った。


「……以蔵殿、頑張るのだ」


「完全に保護者と問題児の構図じゃん……」


 




 龍馬の部屋は妙に生活感があった。

 パソコン、食洗機、空気清浄機、スマートスピーカー……令和を完全に使いこなしている。


「まずはこれをマスターするぜよ」


 龍馬が持ってきたのは――


電子レンジ


「これで“あっため”ができるがよ!」


「……は?」


「ここ押して、ここ押すと、食い物が勝手に温まるが!」


「いやどういう妖術だよ!?」


「やってみいや」


 以蔵はおそるおそる冷凍おにぎりを入れ、

 ボタンを押す――


 ピッ……


 ――ウィィィィィィン


「動いたァァァァ!!??」


「おんし声でかいわ!」


 以蔵はビビりすぎて龍馬の後ろに隠れた。


「これ絶対危ねぇだろ! 閉じ込めたら死ぬやつだろ!!」


「おんしは食べ物じゃないき大丈夫ぜよ」


「そういう問題か!?」


 




● 掃除機


「ギャアアアアアアア!!!

 吸われる!!足が吸われる!!!」


「以蔵、そこに立つからぜよ! 吸わせるもんちゃう!」


● 炊飯器


「なんで飯が勝手に炊ける!?

 何者だコイツ!?」


「炊飯器は敵じゃないき落ち着け!」


● 自動手洗いセンサー


以蔵が手を近づける

→ 勝手に水が出る


「出たァ!!??? おい誰だ! 水ぶっかけやがったの!」


「機械じゃと何度言わせるがや……」


 




「次はコミュニケーションの訓練ぜよ」


「なんだよそれ……」


「令和の若者は“笑顔”が大事じゃき!」


「は……?」


 龍馬はスマホを向けて言った。


「さぁ以蔵、ピースして“イェーイ☆”言うちょって!」


「絶対嫌だァァァァァ!!!」


 以蔵逃走

→ 龍馬追いかける

→ 床で二人ともすべって転ぶ 


「イテェ! 何やらせんだよ、この時代のほうが怖ぇ!」


「あー……これは“令和デビュー”はまだ遠いぜよ……」


 




 夜。

 ようやく落ち着いた二人はカップラーメンを囲んだ。


「……これ、お湯入れるだけでできるんだろ」


「そうぜよ」


 以蔵は慎重に麺をつまみ、ひと口。


「……うまっ」


「だろうがよ」


 龍馬が笑うと、以蔵はほんの少しだけ肩の力を抜いた。


「……悪くねぇな、こういうの」


「うんうん、そうやって少しずつでいいがよ」


 以蔵はカップを見つめて呟いた。


「……令和って……生きやすいのかもしれねぇな」


 龍馬は柔らかく頷いた。


「そうぜよ。

 生き直すには、ええ時代じゃ」


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ