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入学式1

初めましててまりです。初めての作品なので、温かい目で見守ってくれると幸いです!それではどうぞ!


「はいリリィ、口を開けて」


 私の愛称を呼ぶ目の前に座る男が私に声をかける。私が黙っていでもこの男は折れないことを知っているので仕方なしに口を開けると、その男が私の口に一口サイズのケーキをを運ぶ。流石に予約が半年も取れない人気店のケーキとなると美味しいに決まっている。しかも、私が食べたいと思っていたチョコレートケーキだ。思わず口が緩んでしまっていると、目の前の男は嬉しそうにまたケーキを私にくれた。


 どうしてこんなことになっているのだろうか、、


******


 私はリリアーナ。リシュタイン王国のフィナン伯爵家の長女である。ファナン伯爵家は古くから歴史のある伯爵家だが、これと言って父や兄が重要な役職についているわけでもなくごく一般の家庭である。ちなみに父と母は昔からの知り合いらしく、とても仲が良い。加えて兄はとても優しくて頼りになるため、家族仲は他の家に比べて仲がいいと自信を持って言える。



 そんな私だが、実は最近流行りの異世界転生者である。これもあるあるなのだが、10歳の時に高熱を出し、翌朝になったら前世の記憶を思い出していたというやつだ。前世の私は日本という国で普通の女子高校生だった。親友もいたし、部活にも熱中していて充実した高校生活だった。まあ、後悔1つを挙げるならば、デートをしてみたかったと思う。別に仲のいい男友達がいなかったわけではないが、私には縁がなかったのだ。最後の記憶はトラックが私に向かってくるものなので、前世の私は事故にあって亡くなってしまったのだろう。



 この世界は前世で私がハマっていた乙女ゲームの世界で、私はヒロインである。大事なことなのでもう一度言おう。私はヒロインである!今日から始まる貴族学校で4人の攻略対象と出会い、成長をしながら将来のパートナーを決めるのだ。


「おはようございますリリアーナ様。朝食のご用意ができました。」

「おはようマリー、今向かうわ」


 いつものように侍女のマリーに起こしてもらい、朝食を取るために家族が待っている食卓へ向かう。


「お父様、お母様、そしてお兄様、おはようございます」

「おはようリリィ、今日はあなたが好きなビスケットサンドがあるの。入学式だから特別に作ってもらったわ」


 なんと!今日は朝からビスケットサンドがあるらしい。私の大好物である。サクサクした食感に甘いチョコレートがマッチしてとても美味しいのだ。


「ありがとうございます、お母様。とても嬉しいです」


 私は朝からハッピーな気分で朝食を食べ終え、学校に行く準備をした。流石のヒロイン。制服の着こなしはバッチリである。


「行ってらっしゃい、リリィ。楽しい1日を」

「行ってきます」


 私は家族に見送られながら馬車に乗り込み、これから会う4人の攻略者を思い浮かべる。

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