◆手紙
朝目が覚めてシルバーはベッドの中から起き上がる。
もともと早起きな方だとは思っているが、冬に近づくにつれ最近では日が出るのも遅くなってきていて外はまだ薄暗い。
部屋のカーテンを開けるが、空は案の定鈍い藍色で外は寒そうだ。
洗面台へと行き軽く顔を洗い、上着を羽織ってから外に出るとポストの中身を取り出す。
手紙や郵便物を確認するのはリオとシルバーどちらの仕事とは特に決めておらず、気付いた方が行っていた。
といっても普段は自分宛に手紙が来ることなどほとんどない。
しかし、
「ーーーーー手紙?」
今日は珍しく一通。
ぽつん、とポストの中に存在するそれを一体誰だと訝しがりながら手に取る。
白く、一目で上質なものだと分かる紙でできた封筒に、シルバーはまさかハイラムじゃねえだろうなと眉間にしわを寄せる。
差出人は誰かと裏返した時、それを目にしたシルバーは眉間のしわをさらに深くした。
手紙の封筒に施された封蝋にある紋章。
美しい金色の獣の紋章。
それを見てシルバーが思ったことはただひとつ。
「面倒臭そうだな」
いっそ見なかったことにしてしまおうかと考えながらシルバーは家の中へと戻った。




