◆ジャックの陽
始まりの音が鳴った。
周りの出場者が一斉に動き始める中、道具を並べ終えたジャックは、そこで手を止めてしまっていた。
それは、お題のせいである。
陽…陽って。
とりあえず、パッと思い浮かんだことをジャックは脳内でメモる。
陽っていったら……暖かい感じだよな。
ってなると、暖かいもの………暖炉とか?……いや、いくらなんでもそれはないだろう。
暖かい…他には…明るい?日の光、とか?
とにかく、プラスな感じのイメージがするよな。
いっそ、太陽とか作ってみるか?
でも、それも何かなぁ。
必死に陽を表すような物を探すが、これといっていい物が思い浮かばない。
ジャックは困り果てて、ふ、と何気なく観客席に目を向ける。
そして、すぐにシルバーとリオを見つけた。
銀髪は目立つからと珍しく帽子を被ってはいるが、ジャックにはすぐに分かった。
と、そこでジャックは今朝のシルバーの言葉を思い出す。
その瞬間、パッと何かが弾けた気がした。
…………何も、形が陽じゃなくても、いいんじゃないか?
魔石細工に込めるものが、陽を表していれば。
そこへ思い至った時、既に、ジャックの手は動き始めていた。
ーーー『思い浮かべて、そいつらのために、作れ』
陽。
俺の、陽はーーーーー




