表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ボスラッシュ!!!】  作者: Nex
第一層 魔王テネブリス攻略編
19/28

Another:深海少女

海風が寂しがりな私の頬を撫でる。


今日の風も心地よい。


こんな時間がずっと、ずっと続けばいいなんて思っていたい。


でもそれは叶わない。


だって、ここは戦場なんだから。


身の丈に合わない程の剛鉄の筒を手に海を駆ける少女。


それが私。


砲弾の嵐を避け、敵の戦艦を次々に破壊していく戦闘少女。


まばゆい光と轟音の鳴り響く戦場。


人の命は軽く数秒で塵と化す。


与えられた役割をこなすだけの鋼の心。


幾度も幾度も響く、絶叫を超えてただ敵を打ち滅ぼすのみ。


人を機械に変えるとは正にそういうことだ。


私は00番。


アイン・ソフ。


最悪の人体実験の果てに生まれた最悪の生体兵器。


鉛の空に、鉛の海。


私を狙う死線をくぐり抜けて、ようやく死神にあった。


鉛の空を切り裂いて、暁の海が覗く。


彼女が来た。


ほら、ちゃんと金髪の後輩ちゃんが私を咎めに来てくれた。


私の可愛い処刑人ちゃんはどうしたって私のことが好きみたいだ。


涙なんて君に似つかわしくない太陽の君に感謝を。


ブーストは全開に、鋼鉄のライフルは捨てて、深海を一瞥す。


狙うは敵性人間兵器Alia。


人類の希望の象徴。


対するは殺戮の死神00番。


今一度の決戦のラインへ。


深海の底を抜くかのように黒く黒くそして大きな大剣が私の手に握られている。


死の風と勝利の風。


彼女は最後まで微笑んで答えてくれるはずだ。


機械の私が唯一最後に喋れる特権を見せてあげる。



「 深抜ネイビーシンク 」



深海の底が抜かれていくかのように、海が渦を巻いて沈んて行く。


荒れ狂う海を前に敵の戦艦は勝手に自壊していく。


ただ遠くで弓を構えてその時を待つ彼女だけはまだ飲まれていない。


知っている。


彼女はあの一射にて最強。


だからこそ私も最後の最後、今際の際にて見せてやる。


うずめた大剣一気に引っ張って彼女に向けて振るう。


「 深撃ディープブルー 」


大海を割るほどの衝撃が彼女の下へ向かう。


それを見た彼女の眼に恐怖はない。


風が吹く。


更に風が吹く。


さらにさらに風が吹く。


鋼鉄の心を打ち抜いてしまったかのような風が私の心を温かく抱きしめる。


知っていた。


こうなることは必然だった。


堕ちていく。


沈んでいく。


悲しんでいる。


泣いている。


でも最後に笑っている自分が泡に映る。


人類の勝利のために作られた兵器は。


最後は人類の敵になってしまった。


約20年の栄華を帝国に与えた人間兵器。


深海へと落ちゆ。


もうすぐこの命も尽きる。


でも最後ぐらいは自由にしたっていいだろう?


一緒に沈んでいた大剣をつかんで私の命ともいえるコアをつかんで、大剣に注いでいく。
















「次があるなら、もっと女の子らしく生きたかったなぁ~なんて」



そんな少女の願いは誰に聞かれるでもなく、深海の泡へとなって消えていった。

ごめんなさい。5話投稿前に変なことをしてしまって、ボスラッシュにはたぶん関係はないけど、関係あるかもしれないので書き直しておきました。前作を知っている方は知っているかもしれないですね?

と言っても前作もボスラッシュ同様に知っている人はいないと思いますけど。

コアなファンのために彼女へのレクイエムを捧げたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ