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私の魔法は何色ですか?  作者: トマト天津飯
【シエル過去編二話】狙われたシエル
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私がもし死んだら、、、

(イグナルト視点)

◆護衛任務開始から3ヶ月後 マハイルの家にて


任務開始してから今日で3ヶ月が過ぎた。

護衛しながらも盗賊の調査もしていたがまだ何一つ手がかりが見つかっておらず、行き詰まり状態であり本当にこの森周辺で盗賊が居るのかも疑うレベルだった。


この3ヶ月間、俺はロクに仕事もしていなくほぼ毎日シエルと遊んでいた。

シエルは元気ですぐ危ない事するので目を離せない、


昨日も目を離した隙に木の上によじ登りその登った木から落っこちたりした。


あの時はさすがに焦ったが何とか受け止める事に成功した、

俺はこの時もうこの子から目を離さないと心に決めたのだった。


3ヶ月も一緒にいるとさすがに仲良くなり、

今では俺にべたべたに甘えて来る程で俺自身もシエルにはものすごく甘くなっていて、

呼び方も``ちゃん´´を外して親しみやすくシエルと呼ぶようになっていた。


シエルの方も俺の事をお父さんと呼ぶのをやめくれ・・・


「お父さん、ほんよんで」

「うん、いいよ、」


シエルはお父さん呼びを辞めてくれなかった。


最初のうちは出来るだけ呼び方を変えて貰おうと頑張ったがもう諦めてお父さん呼びを受け入れた。


最初はめんどくさい事になりそうだから辞めて貰おうと思っていたが今ではこの呼び方も逆にアリだと思うようになった


実際に一度【フラロス総団長、クライツ副総団長、セラアさん】の3人がマハイルさんに会いに来た時にシエルが俺の事を『お父さん』と呼び、


ものすごくややこしい事になった。


誤解を説明するのにものすごく時間がかかったが

もうバレてしまえば無理して呼び方を変える必要もないのでこの件で諦める決意が出来た。

俺は本当の父親じゃないが今では本当に娘が出来たようで嬉しかった。

まさか19歳で親心に目覚めるとは思わなかったが。


「イグ、そんなにシエルと遊んで大丈夫なの」


アマンダさんが冷めた目でこちらを見詰めて来る、、、


その目には『アンタ仕事してるの』と書いていた。


「いや、ここ3ヶ月ずっと調査しても盗賊団の『と』の字すら見えない状況でお手上げなんですよ、、」

「それでも、アナタ他に仕事無いの?」

「これも立派な任務ですよ、シエルと遊んで、シエルとご飯を食べて、シエルと一緒に寝る、、これも護衛の一環ですよ。」

「あなたは《《護衛》》って言葉を辞書で調べ直しない・・・でもイグがシエルの面倒を見てくれて私は助かるわ、」

「「えへへ、、」」

「なんでシエルまで喜ぶの?あとイグはその笑い方キモイわよ、、」

「すいません、俺も思いました、、」


少し落ち付く事にした仮にも今は任務中だ、毎日訓練は欠かしてないがいつ何が起こるか分からないし、少し気を引き締めた方がいいかもな、、


「お父さん、はやくよんで、、」

「はい、読みます、、」


まぁとりあえず今は任務より本を読んであげるよう、


シエルのお気に入りの絵本【森のクマの親子】を読んであげる。


シエルが生まれてからずっと読んで貰ってる様でシエルはこの本を暗記していて本無しで一言一句間違わないで読める。


じゃあなんでこの本を用意のか疑問に思って聞いてみると『好きだから』と単純でありながら納得できる回答が返ってきた。


◆30分後


俺が本を読んであげるとまたしてもシエルが膝の上で眠ってしまった。


時間を見ると13時になっていた。


お昼寝の時間だ。


眠ったシエルを寝室のベットに運ぶ、寝室を出るとマハイルさんがコーヒーを飲んでいたので俺も頂く事にした。

シエルもいない事なのでマハイルさんに今まで気になっていた話をする。


「マハイルさんはなぜこの家に住んでるんですか?」

「・・・えっ、急にどうしたの?」


すこし驚いたような表情をした俺が『少し気になっただけです』とあまり深い意味もなく聞いた事を伝えるとこの家に住む理由を教えてくれた。


「特に深い理由は無いんだけど、()()()が残した唯一の物がこの家だったから、あまり離れたくないだけって理由よ、、」


【パドレ】それはマハイルさんの旦那さん、つまりはシエルの本当のお父さんの名前だ。


マハイルさんの言う通りあまり深い理由ではなかったが、ここを離れない理由としては十分すぎる理由だと思う。


「そうですか・・・名前を変えないのも旦那さんが残してくれたものだからですか?」

「そうね、ヴァインスのままだと危険な目に遭う可能性は確かにあるわ・・・でも・・・それでも出来れば名前を変えたくないのよ」

「娘さんや自分が危険な目にあ・・・すいません不躾な質問でした。」


マハイルさん自身も分かっている事だろう、

分かった上で名前を変えないのだろう、

それが例え彼女のエゴだとしても名前を変えたくない、、


それを俺が分かった様に【娘さんの命を危険に晒してますよ】と言うのはダメだと思った。


「大丈夫よ、アナタもシエルの事を考えて言ってくれたのよね、、」

「いえ、シエルの事しか考えずに親の気持ちを考えない軽率な発言だったと思います、、」


今の時代では血を飲んだ所で魔力が上がらないと言うのは常識の事だ

だがそんな事はお構いなしに|ヴァインスの血《強力な魔力が含まれる血》を飲むとする者もいる、その為まだ絶対に安全とは言い難いのも事実だった。


この世界は本当に腐っているやがる、、


「イグ・・・一つお願いしてもいいかしら?」

「お願いですか?」


改まった顔をしてどうしたんだろう。


「最近・・・夢を見るの、、、」

「夢ですか?」

「そう、私が死んでシエルが泣き叫ぶ夢よ、、」


信じられない不吉な夢の話だった、

この話の切り出し方からして嫌な気がした。


「もし、私が死んだらヴァインスの名前を捨ててシエルの面倒を見てくれないかしら?」


なんとも嫌なお願いをされてしまった。


「嫌です、、、」


俺の『嫌です』の言葉には怒りにも似た感情が入っていたと思う


「あなたならそう言うと思ったは、、」

「そんな夢を見たくらいで何を言い出すんですか、マハイルさんはシエルのたった一人のお母さんなんですよ、死んだ事なんて考えないで下さい」

「そうね、私が悪かったわ。」


マハイルさんらしくない発言に俺は少しキレていたのかもしれない、がしかしなぜ俺に相談したのか気になる、、

少し理由を尋ねる事にしてみた。


「どうして俺にシエルの事を頼んだんですか?」

「・・・・怒らないで聞いてくれるかしら?」

「理由次第です、、」


怒られるのを恐れている子供の様な瞳でこちらを見つめて来る、

俺が怒るような事を思っていたのかこの人と思っていると数秒の沈黙の後理由を答えてくれた。


()()()()()()あなたなら、シエルの事をお願いできと思ったの。」

「はぁ、やっぱりそうですよね、、」


予想していた通りの回答だ、、、、

全く勘弁してもらいたい、、、


俺の両親は盗賊に殺されていた、当時身寄りもなかった俺はフラロスさんに拾われ騎士団で育った、その為両親を失う苦しみは誰よりの知っている、

だからこそこんなお願いを聞き入れる事が出来なかった。


「それなら俺がこの願いを聞き入れる事が出来ない事も理解できますよね、、」

「そうね、、その通りねごめんなさい、、少し弱気になっていたわ、、」

「いえ、マハイルさんの珍しく弱い所見れて少し嬉しいですよ、」

「ふふっ、イグ、私は弱い女よ、今もあの夢が本当になったらと思うと震えが止まらないもの、、」


そういうマハイルさんの手は恐怖を感じる様に震えていた。


「やっぱり死ぬのは怖いでよね」

「いえ、死ぬのも怖いけれど、一番怖いのは《《シエルを一人にする事》》よ、、」

「・・・自分が死ぬ事よりですか?」

「ええ、父親がいない分も私はシエルの小さい体に溢れる程の愛情を注いできたわ、もし私がいなくなってシエルが一人で泣いているのを想像するだけで・・・わたしは怖い、、」


マハイルさんは急に涙を流し泣き始めた、

親は子供の為なら何でも出来ると言われているがこの姿を見て俺はその言葉の重さを実感した。


俺は言いたい事があったが、

一旦マハイルさんが泣き止むまで見守る事にした、

数分間泣くと彼女は涙を拭きいつものマハイルさんに戻ったので俺は話続け始めた。


「それなら余計にマハイルさんは死んではダメですね」

「えぇ、そうね、もしもの時はシエルを守ってくれる?」

「それも約束できませんね、、」


少し笑みを見せつつ冗談交じりに言ったがマハイルさんは予想にしていなかった返事だったらしく驚いた顔をしていたのでその返答の意味を教えてあげた


「シエルだけでなく()()()()()()も守るそれなら約束しますよ、、」

「ふふっ、イグらしい返答ね、分かった私も守って頂戴だい、」

「はい、必ず守ると約束します」


こうして俺は二人を守る決意を再び胸に刻むのだった。


◆1時間後


そのあとは二人で普段通り雑談を始めた、先ほどの話で入れてくれたコーヒーが冷めてしまったがコーヒーは冷たい状態でもおいしく飲めるので気にせずに飲み干した。


飲み干したタイミングで家のドアを勢いよく叩く音が聞こえたので様子を見にドアを開ける。そこには一人の兵士が立っていた


「イグナルトさん、盗賊団の足取りがつかめました、、」


3ヶ月間なにも進展が無かった事件がようやく動き始めた。


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