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Mis.メモリ  作者: 夏山雛汰
1/3

【1】

気付けば大きな病院の待合所にいた。

周りには顔にモヤのかかった少年少女達がそこら中にある椅子に座っており、誰一人として喋らず静止していた。

近くにいた少年に声を掛けても無反応で、まるで時間が止まった世界にいるようだった。


置かれた状況を整理してみようと、意識を自分に向けた。

服装は病院で使用されるような検査用のガウン姿で、ポケットにゴツゴツとした感触を感じる。

出してみると、『100』と書かれたプラスチック製のカードが入っていた。

待合所正面にあるカウンターには『1』と表示された電光表示版があったので、どうやらこれは整理券らしい。


次にガウンを捲って自分の体を見たが、とりあえずどこにも外傷はない。

もしかすると目に見えない箇所に病気を抱えているのかもしれないが、特に身体に違和感を感じなかった。

今の状況をナースさんに聞いてみようと視線をカウンターに向けてみるも、大きなスピーカーがあるだけで誰も居ない。

これだけ多くの人が待合所にいるのにも関わらず、スタッフが誰もいないのはどうしてだろうか。

加えて、少年少女達の顔が見えず、誰も喋らないので怖かった。


次に周囲の把握をしようと、病院内を見て回った。

どうやら建物は二階建てのようで、階段から二階に行くことができた。ちなみにエレベーターもあったが


瞬間、それは聞こえてきた。


「ザザッ....魂の集会所よりお知らせします。整理番号1番のカードをお持ちの方は、カウンター右の通路から奥にお進みください。」


男なのか女なのかも分からない機械音声がカウンターのスピーカーから流れてすぐ、一人の少年が立ち上がった。

少年はカウンターに置かれたボックスに1番と書かれたカードを入れると、すぐ右にある通路を進んでいく。

慌てて少年の後を追ってみたが、通路の先には少年の姿は無く、代わりに病院には不釣り合いな金色の扉が待っていた。

一体この先には何があるのか、確かめようと扉を開けようとしたがビクともしなかった。



結局、待合所まで戻って椅子に腰掛け、今日の出来事を思い返した。


顔の見えない少年少女達。

扉の向こう側に消えた少年。

魂の集会所。


分からないことだらけの現状と思考に疲れ、やがて目を閉じて眠ってしまった。



完結までお付き合い頂ければ幸いです。

初投稿につき表現不足、誤字脱字等ご容赦ください。

なお、【100】で完結します。

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