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第96話 良い影響

 今日も今日とてカミラを観察。気にして目で追ってみると、逆に目で追えない事に気が付いてしまう。


 あそこで仕事をしていたと思ったらそれをスマートに片付けて次の作業へ、そして手が空くのかと思ったら掃除をしてくれて。


 お陰でお店の中は足りない物もなく、綺麗に整頓されて、掃除も行き届いていると。私は裏方しか出来ないからなんてカミラは謙遜するけどさ、あのカミラの仕事はちょっと真似出来ないよね。


「……どこ、見てるの?」

「うわっ!?」


 あれ? 今そこに居たはずなのに……。ちょっと考え事してる間に見失って、気付いたら背後から声をかけられる。ビックリしたなぁ……。


「いや、よく働いてくれるなぁって」

「……いつもの事」

「だよね、いつもありがと」

「あぅぅ……髪の毛、くしゃくしゃ」

「ならこっちにおいで?」


 少しお客様に感覚があきそうだったので、カミラを膝の上に座らせる、そして引き出しから櫛を取り出して軽く髪を解いてみる。


 くせ毛なのにめっちゃ櫛の通りが良いんだよね。カミラの髪の毛はいつもサラサラだ。


 真っ黒で、所々茶色っぽい雰囲気のある、カミラ独特の髪の毛。自然に可愛くウェーブしてるんだよね。


「はい、これで良し」

「……気持ち良かった」

「そう? 気に入ったなら時々するけど?」

「……また、よろしく」


 珍しく、ちょっと俯きながらニッコリするカミラ。こんなに嬉しそうにするのは実は珍しい。何故ならご飯以外では、と限定すると珍しくなるからだ。ご飯中はいつも誰よりも幸せそうな顔をしている。そこは最初からずっと変わらない。


「なぁカミラ、最近大分マシになったと思わない?」

「……かなり、変わった」

「だよね、カミラのお陰で最近疲労感が減ってきてさ。これならもうちょっと働けそう、なんちゃって」

「……無理は、ダメ」


 僕の服の裾を掴みながら、上目遣いで頬を膨らませるカミラ。一番無表情っぽいんだけど、こういう変化は特に可愛いんだよねカミラ。アドバイスもくれるし、諌めてもくれるし。それにみんなをよく見てくれてるし。


 レミリアはいつも可愛い、プラムはちょっと失敗した時が守ってあげたくて凄く可愛い。みんな本当に良い子すぎて、何もしないのがいたたまれなくて。


 最近トレーニングする時間が増えてきた様に思う。良い影響を貰って本当に感謝だよ。多分、僕はほっとかれると怠けるタイプだからね。まさか自発的にトレーニングしないと落ち着かないなんて事になるとは。分からないものだよね。何か、昔の感じが戻って来てる気がする。


 そうなってくると、本当にこう思う。いざという時に、動ける身体にしておかなきゃってね。

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