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第89話 マーベルさんの提案

「この後はどこに行きましょう?」

「あら、特に予定はないの?」

「予定は特に。レミリアとお出かけしようってなった時に、どうせならマーベルさんにも声をかけようかなって、それくらいの思い付きだったもので」

「ふふ、そういう感じなのね。なら私、行きたい所があるんだけど、いいかしら?」

「行きたい所?」

「そう、割と近かった筈よ?」


 予定は未定、そんな曖昧な出発をして何となく三人でいたら行き先くらいは決まるかなと特に深くも考えていなかったが、次からは行き詰まった時の為のプランくらいは最低でも用意しておこうかな。折角出掛けてるのにどこ行くのかで止まるのは申し訳ないもんね。


 こういう事も全然してこなかったらから、これから慣れていくしかないよなぁ。ほんと、今まで何やって来たんだろってくらい最近の生活が濃い気がする。


「ほら、あそこよ!」

「あれ? あそこは確か……」

「あー、洋服屋さんか」

「知ってたの?」

「前にご主人様とプラっと立ち寄った事がありまして!」

「なら話は早いわね。レミリアちゃん!」

「は、はい!」

「服を買ってあげるから一緒に選びましょう!」

「良いんですか!?」


 それはいつか立ち寄った、見覚えのある女性物の洋服屋さん。マーベルさんの提案を聞いてからレミリアの尻尾がパタパタと揺れっぱなしで凄く可愛い。


 普段あまり言ってこないけど、やっぱり服とかは好きなのかな? …… 今度カミラやプラムも連れて来るか。前に来た時から割と経ってる気がするな。


「これなんてどうかしら?」

「こんな感じになります!」

「ぶはっ、くっ……買いたくなるわね。これは?」

「どうでしょう?」

「ぐふっ、かっ、可愛い過ぎる……」


 一つ服をあてる毎に昇天しそうな勢いでリアクションをとるマーベルさん。しんどそうだけどめちゃくちゃ幸せそうだからまぁ良いよね。


 僕は手持ち無沙汰だな。うーん、何をしていようか。店内をプラプラと一人でウロついているけど……ん? あれは何だろ?


「これは何ですか?」

「そちらの商品は特に何の効果がある訳でもない色石をはめ込んだアクセサリーです」


 ふむ、アクセサリーか。そういえばみんなで何かを一緒に持つとかはしてなかったな。


 ……折角だしコッソリ買って帰ろうかな。


「あの、ここの四つをお願いしてもいいですか? 連れの二人に気づかれないうちに」

「ふふ、かしこまりました。袋に入れてすぐにお渡し致しますね」


 買っちゃった。珍しく本当に意味の無い物を買ってしまった。みんな喜んでくれるかな。


 買うまではこれ良いんじゃない? って思ってたのに、いざ買うと不安だ。


 喜んで貰えるといいんだけど。

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