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第88話 プラムのサンドイッチ

「いやー知らない事ってまだまだあるものねー。私まで聞き入っちゃった」

「凄く為になりましたね! それに一緒に楽しんでくれるマーベルさんのお陰で嬉しさも楽しさも全然違います! すっごく楽しかったです!」

「えぇ!? 結婚したいって!?」

「言ってませんから」


 植物園を後にし、大興奮の二人と共にピクニック気分で過ごせる公園を目指して移動中。これはこうだと説明を聞く度に、成る程! となるレミリアの傍で、ずっとうわー凄い! えぇーそうなってたんだ! っと感想をくれるマーベルさんが最高のスパイスだった様に思う。


 隣であんなにリアクションしてくれたら趣味に付き合わせてる引け目も一切感じないよね。その辺りは本当に良いコンビなんだなぁと思う。いつもオチを作ろうとしてくる辺りまで含めて、何というかマーベルさんは本当に人に慣れてるなと感心してしまう。


 僕の方が日間に接してる人は多いと思うんだけど、まだまだだね。


「今日のお昼はコレです!」

「それも気になってたの! 植物園前にお昼ご飯って聞いてたけど中身教えてくれないから超焦らされてるわ、もうこれは何のプレ……」

「違いますから」


 うーん、それともただのレミリアファンなのかな? 良く分からないな、不思議な人だ。


「あの辺りでどうでしょう?」

「あら、素敵な場所ね。私は良いと思うけど」

「僕も良いと思うよ。見晴らしも最高だしね」

「ではあそこにしましょう!」


 原っぱの中で座れそうな場所を確保し、そこに敷き布を広げる。テキパキとお昼の用意をしてくれるレミリアのお陰であっという間にお昼セットの完成。


「うわぁ……サンドイッチ? でもこれ……中身が全部違うのかしら?」

「みたいですね、プラムちゃんの力作です!」

「あらプラムちゃんの? あの子最初はオドオドしてて全然返事もしてくれなかったのに、こんな事まで出来るようになっちゃったの?」

「プラムはうちで一番成長してますからね。最近は料理に凝ってまして、今日も朝早くから作ってくれていたみたいで」

「感慨深いわねー、そっかぁプラムちゃんがこんな美味しそうなサンドイッチを。料理は得意だったのかしら?」

「全然、最初は怪我もしてたし、レミリアのサポートなしでは形にもならなかった事すらありましたね」

「それがいつの間にかこんなレベルに……どうりで年を取るはずだわ」

「それは今は置いておきましょうよ……」

「そうね、一つ頂いていいかしら?」

「どうぞどうぞ!」

「あ、これレミリアちゃん用ね。ほらアンコもあるわよ?」

「え!? うわー凄い、嬉しいなぁ……」

「じゃあ私はこれを……!? すっごく美味しい! レミリアちゃんが隣にいるからもう幸せ過ぎで涙が出てきちゃうわ……」

「えぇ……そんなに? どれどれ……えっ、めちゃくちゃ美味しいなコレ……」

「でしょ? 何なのかしら、味付けが……」

「うん、すっごく美味しいけど、隠し味なのかな? いつの間にかこんな事まで……」

「ふふ、プラムちゃんは真面目なので一度型にハマってしまえばとっても凄いんですよ!」

「みたいだね、分かってたつもりだったけどまだ見くびっていたみたいだ。いやー成長するとは言っても、凄いなぁ……」


 そう言葉が漏れる程に美味しいサンドイッチだった。種類も豊富で、それぞれがちゃんと人数分用意されていて。全員分のデザートみたいなサンドイッチまで用意されている。


 気遣い方が完全に流れに沿っていて、安心して食べ進められる最高のサンドイッチだった。


 身の回りにこうやって努力を続ける存在がいると自分の停滞が浮き彫りになるから本当にありがたい。


 僕ももっとしっかりしなきゃね!

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