第85話 提案
「プラム、次の休みって何か考えてた?」
「えっと……、ちょっと色々試したいけど、何をしたら色々試せるのか分からなくて……」
「手巻き寿司とか如何ですか?」
「何それ!?」
晩御飯をみんなで食べている時の一コマ。前のレミリアの件があってから、色々と考える事も多くて、そして無理にお金を稼ぐ事も必要なくなって。勿論仕事はきっちりやろうと考えている。でも目的がお金よりも、みんなの健康を考える方にかなりシフトしている。
その中で、やはり家族の健康を考えるとある程度の休みは必要と判断し、三日働いて一日休む、くらいのペースで仕事をしている。つまり休みが少し増えたという事。
「えっと、酢飯を用意して、それを海苔で巻いて食べるんですけどね」
「ふむふむ……」
「具材を沢山用意して、みんなが好きなのを選んで巻いて食べるパーティみたいなご飯なのです!」
「えっ、それすごく素敵! 私それやってみたい!」
「……私も、賛成」
次の休みの晩御飯は手巻き寿司。成る程それは考えになかったなぁ。レミリアはお客様とちゃんとコミュニケーションを取ってるからどんどん知識を増やしていってるんだよね。あの子質問するのも上手いから。
「それだとレミリアとプラムで用意するのか?」
「多分プラムちゃんだけで大丈夫です! それに試したかった事も試せば、全部巻いちゃえばいいのです!」
「そっか! 私それ本当にやってみたい!」
「分かった分かった、ならそれでいこう」
「……味見は、任せて」
「よし、ならそれも頼んだ」
となると、次の休みはカミラとプラムが家で料理にかかりっきりか。僕とレミリアはどうしよう……!
そうだ、お出かけしようかな。それこそ、マーベルさんを誘ってさ。確か休みも被ってた筈だからいけるんじゃないかな。休み分かりやすいんだよね、マーベルさん。買い物して昼間に差し入れにくるからね、レミリアに会いに。だから多分そこは大丈夫かな。
「レミリア、それなら料理は二人に任せて、マーベルさんに声かけて何処かに出かけない?」
「お出かけですか!?」
「マーベルさんへのお礼も兼ねてさ」
「良いですね! プラムちゃんにお弁当お願いしましょう!」
「任せて! 三人分のお弁当用意しておくね! サンドイッチにしようかなー、色んな種類の!」
「ありがとプラムちゃん! うわーすっごく楽しみです!」
レミリアの尻尾がパタパタと揺れている。レミリア自身も喜んでくれてるなら良かった。
後はマーベルさんに声かけるだけだね。
予定空いてると良いんだけど。