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第83話 家族の成長

「いらっしゃいませ、順番にお待ちいただければ順次お声かけさせて頂きます!」


 いつもの様にせっせと仕事をする昼時。相変わらずお客様は良く来てくれていてお店は問題なくやれている。


 今日も順調で、間も無く一旦昼休みの時間。レミリアが入り口に只今休憩中の看板を設置しにいく。さて、僕はどうしようかなと考えていた時。


「うわっ、何!?」


 背中に衝撃が。そしてついでに軽い重みが。


「……無理は、禁物」


 カミラだった。背中から抱き着いてきている。この子はいつも急なんだよなぁ。……ん?


「マッサージ、してくれるの?」

「……たまには、アリ」


 背中から肩の辺りをマッサージしてくれるカミラ。なんで分かるんだろ……。そんなに露骨だったのかな?

  カミラのこういう所、ほんと敵わないや。


「ありがとね、そろそろご飯にしよっか」

「……お昼、楽しみ」


 本当に楽しみな顔してるな……。めちゃくちゃ表情が緩い。多分昨日プラムがやってた仕込みを見ていたからだろうな。こういう所は凄く分かりやすい。


 というのも最近はお昼ご飯もプラムが用意してくれている。どうも楽しくて仕方ないらしい。


 出来なかった事が出来る様になると嬉しい上にどんどん試したくなるよね。プラムは只今料理伸び盛り。


「お待たせ! 今日はみんなそれぞれ違うお弁当にしてみたの」

「……!? ……唐揚げ、弁当!」

「か、カミラちゃん最近ご飯よく食べるから……」

「うわー! 私のはサンドイッチ!」

「レミリアさん、最近パン食べれてないって聞いたので……」

「ありがとプラムちゃん! とっても嬉しいです!」

「良かった……」


 みんなそれぞれ要望に合わせて変えてくれてるのか。どんどん成長するなぁ。さて、僕の弁当は……焼肉弁当だね。


「えっと……最近お疲れ気味だったので、元気の出そうなお弁当に……」


 そんな所まで見てくれてるのか。最近まだ能力の変化に意識が遅れがちで、どうも疲労感が溜まってたんだよね。これは……嬉しいな。


「本当に身体がダルくてさ、元気になりたいなーって思ってたから。すっごく嬉しい、ありがとねプラム」

「はい! 沢山食べて下さいね!」


 お肉にはしっかりタレの味がついていて、その隣には野菜も添えられている。綺麗なお弁当だ。


「……唐揚げ、上手くなってる」

「それは沢山作ってるから晩御飯も唐揚げだよ!」

「……!? プラム、ナイス」


 カミラは食べたい物だと毎日同じ物でも喜んで食べるタイプだから、晩御飯の手間を減らしつつ昼のクオリティを上げてきた訳か。


 あれ? なんか本当に成長してるなぁ。

 ちょっと涙が出てきた。

 やっぱり嬉しいね、こういうのを見るのは。

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