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第82話 役割分担

「えっと……それは何してるの?」

「コネコネしてます!」

「何をコネコネしてるの?」

「うどんです!」

「何でうどんコネコネしてるの?」

「美味しいうどんを食べたいからです!」


 今日はお店は休診日。朝起きて顔を洗って戻るといつもと違う景色がそこにはあった。レミリアが何かをこねている。そしてそれはうどんだった訳だ。


「プラムちゃんがダシをとって具材を作って、それを頑張りたいと仰られてますので、私は私の出来る事します!」

「成る程、素材を作るのと調理するのを分けたって事か」

「素材を……作る?」

「え? 違うの?」

「それいいでふね!」

「見事に噛んだね」

「あぅ、そこは流して下さい……」


 それはそうと何が違ったのかな?


「何か気付いたの?」

「いえ、私はお料理から少しずつ離れるのなら何をしようかなと考えていたのですが、小さく菜園してみても良いですか?」

「あーそういう事か。いいんじゃない? 世話の一部はプラムにも協力して貰えばカバー出来る幅も広がるだろうし」

「ふふ、出来るだけ一人で、皆さまに迷惑のない範囲でやらせて貰いますね!」


 とても良い笑顔を見せるレミリア。そっか、プラムがご飯を頑張りたいって事は、レミリアのその機会は減ってたんだ。気にしてあげれてなかったな、まだまだ気付きが甘い。


「時々は僕にも手伝わせてね? 一緒にやろう?」

「良いんですか!?」


 彼女なりに気を使ってくれているのにまだ僕はそれに気付き切れていないみたいだ。うーん、意識してもなかなか上手くいかないなぁ。




 ______





「……うどんが、イマイチ」

「うっ、確かに……」

「何がダメなんだろね?」

「……コシと、硬さの均一感」

「成る程、少し練り込みが甘かったのですね」

「……次は、手伝う」

「か、カミラちゃん……! アレお客様に教えてもらってやってみたは良いんですけど、凄く凄くしんどくて。一緒にして貰えると本当に助かります!」

「……目指せ、ナイスうどん」


 グッとレミリアにナイスポーズを決めるカミラ。この子は本当に細かい所に気がつくというか……!


「他はどうだった?」

「……とても、良かった」

「良かったー! 今回は合わせダシにしてみたの!」

「成る程、だからいつもよりコクがあったのですね! プラムちゃん着実に進んでますね!」

「進めてるのかなぁ……」

「進めてます!」

「ありがと、レミリアさんのお陰だね!」


 最近は料理の時間がみんなとても楽しそうだ。レミリアやプラムは勿論、カミラも必要な時にはスッとそこに居てくれる。


 うん、やっぱりアレだね。

 僕はカミラに習うべきだね。

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[一言] うどんがうんこに見えた俺はもう末期
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