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第79話 頂き物

「これは……何のお肉ですか? 凄く美味しそうなお肉ですね」

「鳥肉系なんだけど、ちょっと油の乗った変わったタイプの肉なんだけどね。私って一人暮らしだからさ、こんなの貰っても困っちゃうのよね」

「成る程……え?」

「ふふ、そうよ! これは今日の差し入れよ!」

「良いんですか!?」

「あぁ……この、このリアクションの為に……持ってきて良かった!」


 何だ何だと扉から受付の方をこっそり覗いて見たが、どうもレミリアが何かを受け取って、マーベルさんがグッとしている場面みたいだな。また何か貰ったのかな? マーベルさんにもかなり貰ってるからなぁ……そのうち何かお返ししなきゃね。


 マーベルさんは滞りなく診察を済ませて素早く帰宅。目的は済ませたと言わんばかりの表情でした、流石過ぎて少し笑っちゃうね。


「これは……どう使う食材なのかな?」

「多分油が強めと聞きましたので野菜と合わせると美味しそうですね」

「……お鍋とか?」

「お鍋良いですね! あったかいからしっかり汗をかく料理もたまには良いかもしれません!」

「そ、そうかな。それだと何が必要?」

「えっと、白菜とか人参とか、生きのこ、豆腐にネギ……とかかな?」

「成る程。先にやっておく事は何かあるのかな?」

「お肉に下味を付けた方が美味しいと思います!」

「よし! そしたら買い物行ってきます!」

「今日はお鍋ですね! あぁ……お腹空いてきました」


 どうやら今日の献立が決まったらしい。プラムが考えて、それをレミリアがサポート、そしてプラムが作る。細かい点をカミラがフォロー。


 我が家の晩御飯は今日も安泰だ。鍋か、僕もお腹すいてきたな……。




 ______





「……肉の味、完璧」

「ほんと!? ちゃんと下味出来てたか不安だったんだよね、良かったー」

「……ダシも、絶妙」

「プラムちゃんダシの使い方凄く上手になりましたよね」

「良かったぁ。お肉切ってる時凄く美味しそうだったから、台無しにするの怖かったからさ」


 台所で晩御飯を作るプラムとレミリア。そして完成が近づいた気配を察知したカミラがすかさずその場に現れる。そして告げられる、晩御飯が美味しく完成された報。は、早く食べたい……と思いつつ腕立て伏せ。皆んなが頑張ってくれてる時ってジッとしてられないよね。


「ご主人様ー! ご飯ですよー!」

「はーい」


 声がかかったので軽く汗だけ拭いて、みんなの所を目指す。見れば美味しそうな鍋に、明らかに早くしろと目で訴えるカミラ、少し不安そうなプラム、ニコニコしているレミリアが。


 我慢してた分、いつもより涎が凄い気がする。

頂き物がある日は、日常の中のささやかな非日常感があって、ちょっと良い気分になるよね。


おっと、これ以上はカミラに睨まれてしまう。早速頂こうかな。マーベルさん、ありがとう!


「さて、食べようか!」

「「「頂きます!」」」

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