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第6話 レミリアの仕事。

「えーっと、ここが仕事場になるんだけどさ」

「……殆ど何もないですね」

「いらないからね、ついつい」


 結局、流されるままに買わされてしまった訳で。レミリアを連れて仕事場へ帰還する。あんなの聞かされたら断れないよね。


「私は何をすればいいのですか?」

「うーん、仕事は……」


 まずは仕事の話から。レミリアに必要な事を伝えて、翌日からそれを実践してもらう旨を伝えた。それにしても、この物怖じしない態度には驚かされる。店主からまだ何も経験していなければ何の技能もなく、身体にも何の面白味もないと散々な言われ様だったが、考え方によっては嫌な経験をせずに済んだとも取れるのかな。まぁ仕事に差し支えがなくて何より。


「ご主人様のお仕事は変わったお仕事ですね。私、明日から頑張ります!」


 そう言って張り切っている様子を身体で示すレミリア。この子は狼の獣人だそうで、柔らかそうなフサフサした耳がピンと立っているのが特徴的。あの時店頭にいた狼の獣人の妹さんで、顔立ちも身体つきもまだまだ幼い。年齢は十二歳とか、そりゃ幼い訳だ。服装はまだ白い薄手のワンピース一枚だけ。


「お掃除してもいいですか?」


 フサフサとお尻で揺れる尻尾が好奇心を表しているのかやる気を表しているのか、どちらにせよ意欲的なのはいい事だ。安物買いの銭失いに比べれば良い買い物をした。そう考えておこう。お金は本当になくなっちゃったけどね。


「雑巾はあそこだよ、水場はあっち」

「アレですね! 分かりました!」


 トタトタと走って雑巾を獲得するとテキパキと掃除を始めるレミリア。いい子そうで本当に良かった。ただ掃除しながら急ぐあまりパンツがチラチラ見えているのはよろしくない。服……早く買ってあげないとな。


 あ、それとナース服か。……あれ? あんな小さなサイズのナース服、あるのかな? ……あるといいなぁ。生活費もギリギリ、明日からちゃんと稼がないと僕まで大変な事になってしまいそう。


 でもまずは仕事道具、ナース服かな。


「あの……ご主人様、私今日はどこで夜を過ごせばよろしいでしょうか?」


 あ、そっか。何にも考えてなかったけど、そりゃ家も何もないに決まってるよね。うーん、ここで寝てもらうのも忍びないしな……仕方ない。


「それが済んだら一緒に帰ろうか、この近くに僕の家があるからさ」

「わかりました! 急いでやっちゃいます!」


 パキパキと掃除を終えると僕の前にきて尻尾を振りながら待機するレミリア。店の中は……ピカピカ。僕一人だとこうはならないだろう。なんか買わされたと思ってたけど、これはもしかしてラッキーだったのかな?


「それじゃ行こうかレミリア。これからよろしくね」

「はい! よろしくお願いしますご主人様!」

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