第57話 戦士の休息
「あぅぅ……皆様本当に申し訳ないです……」
「馬鹿言ってないで、ちゃんと休むんだ」
「はい……すみませんでした」
「……謝罪、不要」
「ちゃんと休んで、早く良くなってね。私ご飯作りに戻って来るから!」
「プラムちゃん……ありがとうございます」
結局、レミリアの体調不良はそのまま継続している。プラムに言われてから良く観察してみると、確かに時々ペンを持ち損ねたりと僅かに違和感はあった。でもかなり注視しなければ見落とすレベルの内容。
隠そうと……してたんだろうな。心配かけまいと、気丈に振る舞っていた訳だ。本当に僕は馬鹿だなぁ、なんでもっと早く気づいてあげられなかったんだろ。
この間の会話の翌日。体調状況が全く好転しない事から、レミリアは僕が強制的に休みとした。そこまで言わないと……一緒に来ようとするからね。
「それじゃ、行ってくる。プラムが来てくれるから、必要なものや晩御飯のリクエストは伝えておいてくれよ?」
「……ありがとうございます。頑張って治しておきますね」
そう答えるレミリアの返事は……弱々しい。もっと早くに言ってあげれば良かった。最近、なんか後悔してばかりだな。みんなに頼り過ぎてたせいか? うーん、みんな良く出来た子たちだからって甘え過ぎていたかな。
これを機に……少し改めないとな。
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「ただいま、レミリアは……」
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「起こしちゃった?」
「いえ、起きてましたから大丈夫です、こほこほっ」
「こらこら無理しなくて良いから、横になっててよ」
「あぅぅ……申し訳ありません。私……何にもしてない……」
「病人は病気を治すのが仕事だろ? しっかり頑張れよ?」
「はい、……ありがとうございます。こほこほっ」
まぁ一日休んだからって、そう簡単に治ったら苦労しないよね。ちゃんとしっかりゆっくりして貰わなきゃ。最低でも一週間くらいは……休んで貰おうかな。何か勝手に動いたりしてそうだけど、ここは我慢してもらわないと。
「……レミリア、心配」
「そうだよな。何か……良くなってる感じしないし」
「何かあるのかな? 風邪じゃない……とか?」
「うーん、最初は咳だけだったからね。まぁ今もそうなんだけど。流石にちょっと長いから、今日も良くならない様なら……属性魔法の治療院に連れて行ってみようか」
「……それが、最善」
症状は咳だけ。それのせいで軽く見ていたんだけど……どうもおさまる気配がない。きっと本人は嫌がるだろうけど、治療院に連れて行くべきだね。
早いに越した事はない。明日すぐに連れて行こう。