第50話 今日は特別
「……片付け、完了」
「ん、いつもありがとねカミラ」
「……あぅぅ、いつも、くしゃくしゃ」
「まぁどうせもう寝るんだしさ」
その後、沢山あった唐揚げは全員で見事に食べ切ってしまった。本当にみんな、良く食べるよなぁ。
「……今日は、大丈夫」
「何が大丈夫なの?」
「……プラム、ヘトヘト」
「あぁ、成る程。暴れる元気はないってか」
昨日の夜は大変だったからなぁ。まぁ連日だとカミラもしんどいだろうし、それは何よりだね。というかやっぱりさ、プラムが寝相悪いってのになかなか慣れないよね。普段物静かで控え目なプラムが寝ると暴君と化すって、何か笑えてくるよ。
「カミラー、そろそろ寝ようよー」
「……そろそろ、寝る」
「だね、オヤスミ」
プラムに呼ばれて寝室へと向かうカミラ。今日もなかなか疲れたし、ゆっくり風呂にでも浸かろうかな……。
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ふぅ、あったかかった。風呂でのんびりして、身体をリラックス。今日は運動も済ませているから後は寝るだけだ。すぐに寝られる様に程々の暖かさにしておいたから暑過ぎるという訳でもない。
もう寝てしまおうかな。
「あ、あの……ご主人様……」
「レミリア? どうしたの? こんな時間に」
珍しいな、レミリアはいつも寝付きが良いから真っ先に眠ってるのに。
「その……今日は……ここで寝ても良いですか?」
「……へ?」
「えっと、特に何がという訳でもないのですが……その……」
「あ、もしかして朝の?」
「……はい」
アチャー、やっぱり脅かし過ぎちゃったか。黒い塊だっけ? 漠然とし過ぎてて僕にはサッパリだったけど、だからこそ怖い反面もあるのかな? 朝は一応謝ったとは言え、一度出した言葉は引っ込められないからなぁ。
責任、取るか。
「僕も悪かったからさ、今日は一緒に寝ようか。カミラみたいに寝る?」
「良いんですか!?」
そりゃね、こっちでって言っても僕が床で寝たら意味ないよねきっと。
「ほら、おいで?」
「……失礼します」
ソファーで横になる僕の上にゆっくりと乗っかってくるレミリア。やっぱりこの子もまだまだ軽い。それに獣人だからか……カミラより柔らかいね、背中が少しモコモコしてるよ。
「あ……あったかい」
「安心出来そう?」
「はい……凄く安心します」
「そりゃ良かった」
僕の上で小さく丸くなるレミリア。モコモコの耳を含む髪の毛を優しく撫でながら、レミリアの寝息が聞こえるのをゆっくりと待つ事十分程。
結局、すぐ眠ったね。
少し心配だったけど、良かった良かった。