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第49話 プラムの唐揚げ

「で、先にこれを用意しておいて」

「ふむふむ」

「後はやってみましょうか!」

「え? 私が?」

「そう、プラムちゃんが!」

「……がんばる」


 今日の晩御飯なんなんだろ? 何か昼あたり買い物に行ったプラムがそのまま昼に仕込みをしていたらしい。最近そういう流れも出来始めている。プラムがさり気なくしてくれるサポートでレミリアの時間が浮き、彼女がフリーになると全体が捗る。


 つまり更に効率化されつつあると。言ってもこれは帰ってからの時間短縮だから、睡眠時間や夜ゆっくりする時間が少し長くなった、くらいの話なんだけどね。


 三十分夜の時間が伸びたというか、朝ののんびりタイムが三十分増えたというか。割と大きいよねコレ。


「熱っ!?」

「大丈……夫みたいですね、良かった」

「うん、熱気が……」

「高音の油はちょっとした水分でも危険なので気をつけて下さいね!」

「成る程……がんばる」

「さて、では……」

「う、うん……」


 何か神妙な趣きで作業してるなと思って覗き込むと、どうも唐揚げを作ってるみたいだね。確かにこれは昼に仕込むと後が早そうだ。


「……スタンバイ、オッケー」

「よし……いくよ!」


 パチパチカラカラと音を立てて油の中を踊る鶏肉。そして二つ、三つと次々に放り込まれ……やがて上げられる。


「……味見、任せて」

「熱いですよ?」

「……熱さ、平気」


 カミラが揚げたての唐揚げをひとつツマミ、半分に割った。熱いのに器用だな……。


「……少し、薄い」

「え!? 漬け置きの調味料少なかったのかな……」

「では上げてる間にソース作りますね!」

「……レミリア、ナイス」


 こうやってカミラを挟みつつ都度調節されているので、プラムの練習作だとしても食卓に並ぶ頃には分からなくなっている。


「これ、どうですかね?」

「……た、タルタルソース!?」

「正解です!」

「……あ、味見を」


 カミラが先程の摘み食いの片割れにレミリア特製ソースをつけて、再び口へと運ぶ。そして。


「……これは、ヤバイ」


 この表情である。もう絶対美味いじゃん。


「それは良かったです!」

「あ、あの……今度そのソースの作り方を……」

「はい! 一緒に作りましょうね!」

「是非!」


 次々に揚げられ平積みに増えていく唐揚げたち。そして揚がると良い匂いが部屋の中に充満する。


 あーこれはお腹が……。

 よし、呼ばれる前にもう少しだけ腕立てでもしようかな。

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