第45話 どこかで見た人
皆様のお陰で最高カテゴリー・総合2位までいきました……。もうありがたくてありがたくて……。これからもしっかり更新致しますので、どうぞよろしくお願いします。まだもしかすると……!?
「いらっしゃいませ、順番にお待ちいただければ順次お声かけさせて頂きます!」
「うわーマジじゃん、こんなんなってんの?」
「えーヤバくね?」
「うちらマジ浮いてるんですけど」
「超浮いてるんですけど、ヤバくね?」
「マジヤバイ」
いつもの夕暮れ時、さてもう少しで閉店かという所で少し騒がしい二人組が来店した。明らかに空気感が違うので存在感が凄い。
「えー何したらいいの?」
「うちここにうんこしに来たんですけど」
「マジ直球、やめなよそういうの」
「だってマジじゃね? うんこタンク仲間っしょ?」
「仲間にいれんなし」
「うちを仲間外れにすんなし」
「場所考えろし、マジすっぴんモンスター」
「それただの悪口じゃね?」
あれ? なんか懐かしいような……。どこかで聞いた事のあるテンポの……。
「次お待ちのお客様、どうぞ!」
「ほら呼ばれてんじゃん、行くよ?」
「え? うち今日は客じゃないから」
「は? 裏切んの?」
「ノータンクだから、あばよタンクマン」
「何こいつマジ失礼なんですけど」
「良いから早くいけっつーの」
押し込まれる様に一人の女性が診察室に入ってくる。えっと……なんだろ、どこかで……。
「うわーマジじゃん。おひさー」
「え?」
「は? もしかして忘れてる訳?」
「あの……」
「マジ失礼なんですけど」
「ど、どちら様でしょうか?」
「無理やり人の手を握っといて何様な訳?」
えぇ……毎日それしかしてないんですけど。誰この人。
「す、すみません」
「マジでわかんないの?」
「その……」
「うちの事忘れた訳? 初めましてうんこタンクです」
「あーーー!!!」
「こいつマジ失礼じゃね?」
うわー完全に忘れてた。あの時はお酒入ってたし、普段関わるタイプの人じゃないからなぁ。
「えっと、今日はどういった……」
「うんこ以外になんか出せんの?」
「いえ……うんこしか出ません」
「じゃあそれしかないじゃん」
何この会話。未だ嘗てない会話なんですけど。
「うち何したらいいの?」
「えっと……手を」
なんでこんな緊張してるんだろ……。
「これだけ?」
「はい、確かあの時も」
「居酒屋でうんこテロとかマジ勘弁なんですけど」
「はい……すみませんでした」
「あ……嘘、やっぱりキタ! うわ、本当にあの時と同じ……ヤバイヤバイってこれ来るから! ちょっとマジ早くいかせろしどっち!! どっち!!」
「そ、そっち」
バタバタと扉から飛び出していくお客様。
いやぁ……すっかり忘れてたけど……いたね、そんな人。