表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/190

第43話 いらっしゃいませ④

 久しぶりのラベルカーン。本当にいつぶりだ? 今回は遠征がかなり長引いちまったから仕方ねーんだけど、俺っちにもやらなきゃなんねー事があるからちょっと大変だったかな。もっと早く来たかったのによ。それでもま、これもまた一興ってやつさ。


 そんな多忙な中で俺っちがわざわざラベルカーンに来たのには勿論訳がある。懐かしい、昔の後輩が開業したとかなんとかって話だ。こりゃ顔出すしかねー! って考えてから既に数ヶ月。流石そろそろ顔出してやらねーとな!


 しかしラベルカーンってのは相変わらず賑やかな街だな本当。ここは【奴隷商人の街】としてのし上がった街だから労働力に溢れている、即ちそれは活気。俺っちとしては内心面白くないが、そこに文句を言っても始まらない。


 それに一応信用している商人もいる。奴にだけは今回も声がけしていくか。それで少しでも探し人の情報が手に入るなら、奴隷商人でも利用するさ。おっと、それは私情だ。今回はそっちじゃねぇ。


 えーっと、確かこの辺りの道の裏手に……どこだ? あれ? うーん、もう少し詳しく聞くべきだったか……。


「あら、ライバックさん? 珍しいわね」

「おっ! マーベルじゃねーか良い所に!」

「良い所?」

「実は後輩の店を探しててな、この辺りに何ヶ月か前に開業してる筈なんだが……」

「何の店なのかしら?」

「さぁ? ナビリスってんだ」

「あぁ、医院長さんの所だったら私も今から向かう所よ、一緒にどう?」

「ひゅー流石マーベル嬢! 超助かるぜ!」

「相変わらず軽い人ね。まだA級なの?」

「そりゃもう、俺っちは永遠のA級だかんな!」

「はぁー勿体ない。絶対そんな筈ないのに」

「そういう契約なんだ、仕方ねーっしょ? 俺っちは軍を利用してるだけ、軍は俺っちを利用してるだけ。それだけさ」

「……まだ、見つからないの?」

「そう……だな、まぁ気長に探すっきゃねーよ!」

「そうね、何か分かったら連絡するわ」


 別に軍に拘りがある訳でも、人族を守りたい訳でも、魔族を排斥したい訳でもない。俺っちはただ探し人を見つけたい、それだけなんだ。


「ほら、あそこよ?」

「ほー、こりゃ立派なもんだな」


 そこには思っていたよりずっとしっかりした建物が存在した。看板には【ようこそナビリス医院へ】と書かれている。医院? あいつ医者だったか?


「いらっしゃいませ! あっ、マーベルさん!」

「キャー今日も堪らないわレミリアちゃん! あー最高、この瞬間のために私は今日を生きてきた……」

「そ、そんな大袈裟な……あっ! いらっしゃいませ」

「こりゃどうも。俺っちはここの医院長の知り合いだかっさ、取り次いで貰えねーかな?」

「ご主人様の知り合いの方でしたか、少々お待ち下さい!」


 綺麗な店舗に可愛い看板娘。野郎、なかなかやるじゃねーか。にしても気のせいか? いや、まぁ俺っちはそっちの専門じゃねーし。気のせいかもな。


 元気にしてっかな、ナビリスのやつ。

 あー早く会えねーかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ