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第42話 祭りの後

「テメーラ気をつけて帰れよ!」

「「「ご馳走さまでした!!!」」」


 従業員的な立場からお客様たちを見送る僕ら。肉を食べに来たはずなのにアレよアレよこんな事になってしまって、気がついたら従業員に。


 でもさ……みんな凄く楽しそうなんだ。


 あっちもこっちも、何をやらせても卒なくこなすレミリア。慣れない手つきで野菜やお肉を切ったり盛り付けたりを頑張るプラム。隙をみてそれを食べるカミラ。


 一品出来上がる度に嬉しそうな声をあげて、それが運ばれて大歓声が聞こえてきて、みんなでニヤニヤして。


 で、店主から次はコレダァァァと熱く誘導してもらってどんどん製作していく。あっという間に過ぎた最高の時間だったなぁ。本当に楽しかった。


 仕事終わりでみんな疲れてるはずなのにすっごく活き活きしててさ。特にプラムが一生懸命料理を手伝っているところなんて、ちょっと泣きそうになりながら見てたよ。つまみ食いをするカミラに笑ってなかったら本当に泣いてたかも。


「良く働いてくれた! 俺もたまには客に礼がしたいと常々思ってた所だったんだ、ほんっっっとうに感謝する!」

「私たちもとっても楽しかったですよ!」

「つ、疲れたけど、頑張るの楽しかった」

「……つまみ食い、最高」

「あ、あとね。……嬉しそうな声が聞こえてくるの、凄く幸せだった」

「私も分かるよプラムちゃん! 何だか本当に作って良かったなーって、素敵な気持ちになるよね!」

「うん……凄く嬉しかった」

「……美味かったから、当たり前」


 嬉しそうにガヤガヤする三人の後ろで、店主がなにやらゴソゴソと……!


「これは、カミラがさっきの料理を少しずつ集めてくれていた、その全てだ」

「か、カミラちゃん!?」

「……抜かりは、無い」


 店主がテーブルに並べたのは、さっきまで自分たちが作っていた料理を集めた僕たちだけのバイキング。そして……。


「テメーラには勿論、一番美味い部位を残してっからよ! 今から最高の焼肉をしながら料理の食べ放題だ! 飲み物も何でも飲みやがれ!!」

「良いんですか!!?」


 霜の降り方凄まじい、それはそれは綺麗な肉。それを焼肉サイズに切ってくれた物を自分たちで焼いて、店主特性のタレで食べる。


 最高の時間だった。


 みんな本当に楽しそうで、美味しそうで。


 実際にとんでもなく美味しくて。


 まるで打ち上げの様な、祭りの様な。


 そんな時間だった。


 店主さん、クラリスさん、みんな。


 本当にありがとう。

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