第41話 お肉の行く末
「で、俺の所に来た訳だ」
「他に思いつきませんでした。もう運ぶだけでも大変で……手伝いますのでみんなで食べませんか?」
「そりゃ……悪くねーな。俺もこんな肉滅多に食えねーよ。どこでこんなの買ってくるんだ?」
「差し入れです」
「はっはっはっ……またまた。……冗談だよな?」
「……全て、事実」
「マジかよ……」
結局、全員で話し合った結果、処理不能と判断。というより活用し切れない。ここまでの素材を手に入れて、素人が雑に扱っては申し訳なくなってきてさ。
で、カミラが気付いたって訳。あの料理屋さんに持って行こうって。
「しっかしこれは……また凄まじい塊だな。それにメチャクチャ綺麗じゃねーか。今日食べ切るのか?」
「……全部、食べる」
「マジか……仕方ねぇ! 俺もこんな肉を見て引き退っちゃ名が廃るってもんだ! 今日の客は全員俺とこいつらの奢りだ!」
「「「ナ、ナンダッテー!」」」
瞬間、周りからとんでもない歓声が巻き起こる。まぁそりゃそうだよね。こんな綺麗な肉塊、見ただけで虜になるってのに、それを無料配布となると……ね。
「おいガキども! 料理のできる奴はいねーか?」
「私とプラムちゃんが手伝えます!」
「え、私……」
「……プラム、やれる」
「よーし、なら二人はこれ使って着替えてきてくれ!」
「……味見担当、スタンバイ」
「てめーは外だ」
「……何故!?」
レミリアとプラムは店主から受け取った帽子と前掛けを付けて調理場へ。残されたカミラと僕も何か少しでも手伝うべく、洗い物や皿の運搬を補助。
カミラはここぞとばかりに味見に頻回していた。あれだけ食べてまだちゃんと食べるんだら本当みんな良く食べるよね。
いやーこれは楽しみだ。
______
「テメーラ! まずは焼肉だー!」
「「「うぉぉぉぉ!!!」」」
既にカミラと僕の手によって用意された七輪をいくつも整列させている。そこに山盛りに切られている肉達が登場、群がる客の中へと放り込まれ、戦いが始まった。
「「「うめええええええ!!!」」」
「料理は間も無くだ! 腹に余裕残しておけよ!」
「「「うぉぉぉぉ!!!」」」
放り込まれ、焼かれ、食べられる肉。そんな中にひょっこり現れてはみんなから少しずつ焼かれた肉をつまみに回るカミラ。本当にぬかりない。
「料理だ! 次々もってくるから好きにとれ! 全部こいつらの奢りだ!!」
「「「うめええええええ!!!」」」
何だかんだ凄いお祭り騒ぎになってしまったが、正直かなり楽しいのでこれはこれでアリだと思う。
にしても、肉、減らないなぁ。