第33話 歓迎お疲れ会
「じゃあカミラとプラムこれからよろしく! みんな今日もお疲れ様! 乾杯!」
その日の夜、いつもの裏道から帰りつつみんなで入っても大丈夫そうな店を探して、そこに四人で入店。まずは飲み物、それから……何を食べようかな。
「みんな遠慮なく頼んでね?」
「良いんですか!?」
「ご飯!?」
うーん、この辺りは本当になんかもう、うん。逆に安心するね。
「えっと……」
「レミリアはどれにする?」
「この……チーズとお肉が乗ってる……」
「ピザね、みんなで食べれる大きいのにしようか」
「良いんですか!?」
「そりゃみんなで食べたいしね」
「……私、これ」
「カミラは……ハンバーグか。うわぁこれ美味そう、僕も同じのにしようかな」
「……お揃い」
「だね、同じのにするよ。プラムはどうする?」
「……あの……こ、これ」
「パスタね、よーしそれなら注文しようか! すみませーん」
比較的小さめの店だったので店員さんは二人、なのかな。一人が作業中だったみたいで奥から男の人が注文を取りに来てくれた。
「お待たせしました、お決ま……あれ?」
「え?」
ん? 何が……と思って顔を上げてみる。あ、この間カミラを追いかけていた……。あー……、大丈夫かな。
「……どこかで会いませんでしたかね?」
「えっと……」
するとハッと、察した様に最初に気が付いたのはカミラだった。あー……どうしようかな……と、考えているとカミラが立ち上がった。何を……?
「……すみませんでした」
「え? どうしたんですか? お客様?」
「……私、捨ててた食べ物を、漁った」
「……あー!! あの時のガキか!」
な、何という正直なストレート謝罪。
「お前……大丈夫だったのか?」
「……大丈夫?」
「体調悪かったんだろ? 心配で残った飯でも食わせようかと思ったら急に逃げるからよ」
あれ? そういう場面だったの?
「何だ、アンタら知り合いだったのか?」
「……違う、あの後、助けて貰った」
「成る程ね、そういう事か。なら良かった、心配してたんだぞ?」
「あぅぅ……」
くしゃくしゃとカミラの頭を撫でてくれる店主らしき男。この人ガタイが凄く良い上には髭が濃い強面だからビビっていたけど……滅茶苦茶良い人だね。
「おっとすまねぇ、あー今更丁寧な言葉ってのもおかしいな。これが地なんだ、このままでいいか?」
「大丈夫です」
「アンタも砕けてくれていいんだぜ?」
「……僕はこれが地なんですよね」
「なら無理にとは言わねぇよ。で、何にするんだ?」
「あ、えっと……」
そして注文を入れると、とんでもない量に割増された状態でそれぞれがテーブルにならんだ。店主さん、サービスし過ぎなのでは……と最初は思ってたんだけど、うちの腹ペコ魔人たちはみんなガツガツとそれぞれを共有しながら全て平らげてしまった。
その上で、凄く美味しかったって。うーん、これはまた来なきゃって感じだね。素敵な店が見つかって良かった。有り難く、通わせて頂こう。