第28話 適正
うわぁずっと3位だ、凄いなぁって油断してたら総合ランキングの方が4位になってました。本当に有難い……。ブックマークに評価、本当にありがとうございます。気になり過ぎて色々な事が手につかない注意力超散漫状態なんで、いっそ諦めてこの作品を書き綴り続けてます。嬉し楽しい。今日の最後の更新で少しお知らせを載せますね。よろしくお願いします。
「いらっしゃいませ、順番にお待ちいただければ順次お声かけさせて頂きます!」
「……ぃ、ぃ…ゃぃ……せ」
「カミラ、【せ】しか聞こえてないからそれ」
「い、いらっ……ゃぃ……せ」
「もう一声!」
「い、いらっ、いらっ、……ゃっせ」
「惜しいけど何か違うなぁ……」
お店に着いてから朝の準備、そして開店までの時間に少し声出しの練習。レミリアが教えるまでもなく全て一人でこなしてくれていたので、教育が新鮮で仕方ない。というか普通最初ってこうだよね。
「……ごめん」
「いやいやカミラが悪い訳じゃないんだよ? こういうのは慣れだったり、後は適正だったりするからさ」
「……がんばる」
「ん、その意気その意気」
「なら……そうですね、カミラちゃんには裏方に徹して貰いましょうか?」
「あー、成る程それもいいね」
「……補充なら出来そう」
「変えたり、足したり、掃除したりだね。最初は手伝うからちょっと頑張ってみてくれる?」
「……がんばる」
「よし、ならそんな感じで行こうか!」
そんなこんなで今日も営業時間がやってきた。
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「カミラちゃん! タオルを取って貰えませんか?」
「……そこにある」
「あれ? いつの間に……」
「カミラー! 向こうのスイートルームって補充終わってる?」
「……大丈夫」
「ありがと!」
接客や誘導、診察といった直接的なサービスは僕とレミリアが。補充や掃除といった間接的なサービスはカミラが、それぞれ役割を分担してやり始めてみると、これが面白いくらい楽でやり易かった。
というか、カミラの慣れ方が早い。人に対しては全然慣れてくれないけど、ここにこれを、こうなったらこれをといった内容は一度で覚えてしまった上で、そこから飲み込んで消化してくれる。
やり方しか説明していないのに、気付いたら手順が変わってたりして、サボってるのかなと注視してみると効率化されていたりしていた。
この子……物を扱ったり管理するのが異常に上手い。それは今までの生活から得た技術なのか、はたまた天性の物なのか。どちらか分からないが、少なくともすぐに任せられる程には優れていた。
これは嬉しい誤算だ。
「終わったー! レミリアごめん入り口閉めてきて」
「お疲れ様ですご主人様! 入り口はもう閉まってます!」
「え、流石だね。カミラ、掃除と明日への補充なんだけどさ……」
「……済んでる」
「え? 嘘でしょ? ……ほんとだ」
「……こういうのは、得意」
スイートルームがバッチリピカピカだ。その上でいつもはここから補充とかするのに、それも終わってると。うわー、これかなり助かるな。
……あっ!
まずい、大変な事を忘れてた。
というより、気付いてしまった。