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第27話 カミラの恩返し

「……うわっ!? え? なになに?」

「あ、……えっと、ごめん」

「……え? あれ?」


 翌日朝一番、誰よりも早起きなカミラが寝ている僕の隣に座って顔を覗き込んでいたらしい。目覚めた僕は目の前にある人の存在に動揺を隠せなかったって訳。


 そりゃビックリするでしょ普通。


「お、おはよカミラ、早起きだね」

「……貴方以外起きてる」

「あぁ、レミリアはもう起きてたのか。体調は?」

「……多分大丈夫」

「そっか、そりゃ良かった。取り敢えずご飯食べようか」

「ご飯!?」

「……なかなか慣れないね」


 相変わらずご飯に異常な執着を見せるカミラだけど、凄く早食いだとかそういう訳ではなくて。むしろとても大切そうに、丁寧に丁寧に味わって食べてくれている。作る方も嬉しくなる程に。


「おはよ、レミリア」

「おはようございます、ご主人様!」

「ご飯の用意ありがとね」

「いえいえ、早く食べましょう!」


 起きて顔を洗うと既に完成された朝ごはんの良い匂いが何処と無く漂ってくる。そしてカミラは僕の隣にピッタリくっついて一緒に移動している。


「さて、食べようか」

「……あの」

「カミラも食べるんだよ?」

「……ありがと」

「レミリアにもね」

「……ありがと」

「カミラちゃんとっても美味しそうに食べてくれるので作るのも楽しいんですよ! こちらこそありがとうございます!」


 三人で食卓を囲んでご飯を食べて……さて。カミラが元気になったのならいよいよ今後の話をしなきゃだよね。


「さて、僕らは仕事に向かうけど、カミラは元いた所に戻るかい?」

「……まだ」

「ん?」

「……恩が返せてない」


 恩? これは意外な……いや失礼か。でもまさかカミラの口から恩を返すなんて出るとは思ってもなかったな。


「そんなの別にいいから、戻らなくて大丈夫?」

「……大丈夫」

「恩返し、したいの?」

「……したい」


 うーん、どうしよう。意外と義理堅いし頑固だな。こりゃ納得出来るまで帰らないぞ。


「……それに」

「ん?」

「……ご飯、美味しいから」

「あー、まぁ……そうだよね」

「ご主人様、いいですか?」

「……うん? どうしたのレミリア?」

「スイートルームの管理に人員が必要だったのでは?」

「あっ! 確かに。……うん、それは……アリだね。それならちょっと手伝って貰おうか」

「……よく分からないけど、手伝う」


 本来僕が気付かないとダメなのにな……やれやれ。レミリアは本当良く気がついてくれる。少し締まらないけど、確かに人手は足りてなかったんだし今日は様子見で少し手伝って貰おうかな。

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