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第26話 三人の食卓

 今日が休みの日で本当に良かった。もうすぐ昼になるっていうのにカミラがベットから出てくる気配がない。余程無理が祟っていたのか、或いはまともに食べられていなかったのか。いずれにせよ、今はもう少しゆっくりして貰う他ないかな。


「ただ今戻りました! 飲み物とタオルと身体に良さそうな食事、後は少し下着も用意しておきました!」

「気が利いて本当に助かるよ、僕が買ったらそれだけで噂になりそうだからね」

「私に出来る事なら何でもしますよ!」

「ありがとね、ひとまずお昼ご飯にしようか」

「ご飯!?」

「!?」


 うぉぉ……ビックリした。えぇ……この子食い意地張りすぎじゃないかな。そんなにお腹空いてたの?


「あ、痛たた……」

「あーもう、だから急に動いちゃダメだってば」

「ごめん……なさい」

「レミリア、ごめんだけどご飯の用意頼める?」

「任せて下さい! 日頃の修行の成果をお見せしましょう!」


 ご飯といえば元々は僕が全て作っていたのだけれど、隣で見ていていいですか? から始まって、それ手伝いましょうか? になって、それ私がやっておきますよ? に進化してしまった。


 勤勉過ぎて本当に助かってる。ご飯はレミリアに任せて、少しカミラと話そうかな。


「頭痛、マシになった?」

「……マシになった」

「そりゃ良かった。家や両親は心配してないの?」

「……もう誰もいない」


 あ……そっか、そういうのもあり得るのか。これはちょっと無神経だったな……。


「それは辛い事聞いてごめんね」

「……平気」

「ならカミラを心配してる人は?」

「……一人いる……かも」

「それはどういう間柄の人?」

「……孤児仲間……かな」


 ……成る程、そういう事か。それなら昨日の行動も、ここに来て殆ど慌てた様子もないのも、空腹も頷ける。多少考えなくもなかったけど、孤児だったのか。


「その人には伝えた方が良い?」

「……問題無い」

「いいの?」

「……お互い暫く帰らない事は……ある」

「そっか、なら身体が休まるまではゆっくりするといい」

「……私、邪魔……あぅ」


 子供が野暮な事を言おうとするから頭を撫でて封殺する。なにせ、もう関わっちゃったからね。


「余計な事は考えなくていい、今は休むんだ」

「ご飯できましたよー!」

「ご飯!?」


 その単語にだけは異常な執着を見せるカミラ。まぁこれだけ食欲があったら多分大丈夫だよね。今日はともかく明日はどうしよう。家に一人残すのも、流石に不用心だしな……。


 うーむ、困ったな。

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