第25話 路地裏の少女、カミラ
皆さまの暖かい声援でカテゴリー日間3位、総合7位まで来ました。そろそろ指が震えて来てます。誤タップががが。ブックマークに評価、本当にありがとうございます!
「ひとまずソファーに寝かせるか」
「私、タオルと水を用意してきます!」
家に帰って、ひとまずこの子を何とかしなきゃでタオルだ毛布だとバタバタして、結局軽く身体を拭いた後に毛布にくるんでそのままソファーに寝かせる事にした。
まだ少し息は荒いけど……さっきよりはマシかな。レミリアが額にタオルを乗せると少しだけ表情が和らいだ。
「やれやれだけど、僕らはご飯にしようか」
そう言った瞬間に。
「ご飯!?」
その子は寝ていた身体を起こし、タオルが飛んでいった。勿論、僕もレミリアも凄く驚いた。レミリアなんて小さく、ヒャッと声を漏らして尻尾は不安そうに低く揺れている。この子はこんな時でも可愛いなぁ。
……じゃなくて。
「あ、痛たた……」
「コラコラここは安全な場所だからひとまず落ち着いて。君、熱が凄いんだよ?」
そう言って落ち着かせつつ再び寝かせる。意識は戻ったみたいだね、お腹空いてる……のかな?
「ここは……?」
「僕の家だね。でも一人じゃなくてレミリアもいるから安心して?」
「初めまして、レミリアです」
「あ、初め……まして」
突然目覚めたら男と二人っきりだと不安かなと、まずはレミリアを紹介。……色々聞いても大丈夫なのかな? まぁ慌てなくていいか。
「意識はどう? 頭、痛くない?」
「……少し、ず、頭痛」
「大丈夫?」
「……大丈夫」
「なら一緒にご飯食べる?」
「ご飯!?」
うーん、やっぱりお腹が空いてるみたいだね。まずは話を聞くより腹拵えかな。
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「こ、こんな贅沢な物……えっと……」
「食べて良いよ?」
「……」
「はい、これは貴女の分です!」
「あ……。ありがと」
レミリアの手によって目の前に出されたサンドイッチを恐る恐る食べる女の子。そう、子供は女の子でした。夜道じゃ分からなかったけどね。
「お、美味しい……」
「大丈夫、だからゆっくり食べな?」
「……うん」
サンドイッチを食べながら涙を流す女の子。余程お腹が空いていたのかな。まぁ数はあるし、ゆっくり食べればいいさ。クラリスさんの差し入れ、量が凄いんだよね。
「名前、聞いてもいい?」
「……カミラ」
「ありがと、カミラか。いい名前だね。じゃあカミラ、サンドイッチは沢山あるから好きなだけ食べて良いんだよ?」
「え……本当?」
「あぁ、どうせ食べきれなかったからね。レミリアもそろそろ食べなよ?」
「はーい、すぐに頂きまーす!」
少し離れた所でカミラに使ってもらう服を見繕ってくれているレミリア。あの子は本当気が利いて助かるよ。僕が気が利かないのが問題なんだけどね。
カミラはサンドイッチをそれなりに食べて、食べ終わるとウトウトし始めたのでそのまま寝かせてあげた。
服も着替えたし、ベッドに移動させてそこでグッスリ。
さて、僕はソファーかな。