第21話 スイートルームとは
直後に8位に入ってて指が震えます……。
トップ5が本当に見えて来ました、これも全て読者の皆さまの応援のお陰です。ブックマークも評価も、本当にありがとうございます。そんな皆様と是非、この上位への食い込みを共有したいのでランキング更新の度に暫く現状を報告させて頂こうと思います。現在カテゴリー8位、総合で18位です。どこまでいけるでしょうか……。よろしくお願いします。
「さーて、最後はここだね」
「沢山ありますからね!」
「うーん、でもまだ増やすべきだよね」
「そうですねー、殆ど皆様ここを使われますからね」
「まずはここからかな」
「んー! いつも良い匂いですね!」
「これは拘ったからねぇ」
レミリア考案のルーム別料金制度の集大成にして最大の利益源、スイートルーム。まず入って最初にするのがミントをベースにした落ち着ける香り、芳香剤のような強烈な匂いはその働きが故に嫌味も多分に含んでしまっている。だから匂いにはかなり拘った。
そして実用性から考えると一回り広い作りになっており、解放感……いや開放感が感じられる様に設計されている。ルームに入るとまずはスリッパ、日に三度交換されるトイレスリッパはフカフカで歩く度に幸せを感じる優しさの塊。ルーム入って最初にこれを履き、この匂いを感じ、狭さによる閉塞感は感じないでいて貰う。
これだけでかなりリラックス出来ている筈。
「ペーパーも……よし! これで大丈夫かな!」
「ありがとね、レミリア」
ペーパーは柔らかくて肌触りが良い物を探し出し、それを置き場に纏めて設置。一回分を自身で取ってもらい、それを使い切る。毎回自分専用。
「ここも掃除しておきますね! さっきもしたんですけど」
「気持ちが大切だからね」
便座は逆に何もしていない。ここは一番の清潔感が必要なのでシンプルに常に綺麗である事をアピール。代わりに背もたれになる部分がフカフカ。一瞬一息つく瞬間にフワっと身体を受け止めてくれる存在が背中にあるというのは意外と安心感を生んでいる。
そして手洗いと、良い香りのハンドソープ。その後はフワフワの小さなハンドタオルで手を拭いてもらい、それはそのままプレゼントとなっている。
トイレは一瞬の事だけど、辛い我慢を追い出すリフレッシュの瞬間。だからなのか、スイートルームの利用者の数は圧倒的に多い。レミリアサマサマだね。
因みに水は水道業者をしている会社に多い目に料金を払う事で、一人水の属性魔法の使い手を別の部屋に駐在させて貰っている。清潔感の秘訣だね。で、この人凄く寡黙な人だから殆ど喋ったりする事もなくて、仕事に来て終わったら帰っているだけな感じなんだ。仕事の内容には文句の付けようもない程パーフェクトなので、閉店後いつの間にか帰っているけれど、その辺りは気にしていない。
「一応毎回掃除してますからね!」
「でもこれが一番手間だからなぁ……もっと稼ぐ為にはまずもう一人、先に増やすべきかな?」
「……お姉ちゃんの事なら気にしないで下さい! ご主人様が私を買ってくれたから少し余裕が出来た筈です」
「……ゴメンね、でもお姉ちゃん……高いからなぁ」
「まずは稼がなきゃ、ですね!」
次に買うのはお姉ちゃんでありたかったけど、そうなると効率が悪くなって購入が遅れてしまう。だからといって姉が買えてないのに別の奴隷を買うのもなぁ……といったジレンマの渦にハマっている。
うーん。お姉ちゃん、高過ぎるんだよなぁ。